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2020年9月29日(火)

ベラルーシ 「大統領就任式」に抗議

7週連続デモ 数万人参加

 ベラルーシの首都ミンスクなどで27日、ルカシェンコ大統領の退陣を求める抗議デモが7週連続で実施され、政権側の取り締まり強化にもかかわらず、数万人が参加しました。行動は、大統領選で次点とされた野党勢力候補のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏こそ「勝者だ」とする「国民の就任式」と銘打って実施。参加者は、ルカシェンコ氏による就任式強行に抗議しました。(片岡正明)


 ベラルーシでは8月9日の大統領選挙で、ルカシェンコ氏の「地滑り的勝利」と発表されましたが、選挙不正が指摘され、抗議デモが毎週のように続いてきました。政権側は23日、長らく見送られてきた「就任式」を実施。国民への事前の告知もなく、テレビやラジオ中継もない異例の「式」でした。反政権派は就任を認めず、デモ継続を呼び掛けています。

 BBCロシア語版によると、27日の抗議デモは隊列が1キロ以上続き、市内10キロを行進。政府への抗議の象徴となっている白と赤の旧ベラルーシ国旗を振ったり、体に巻き付けたりしながら歩きました。「ルカシェンコは裸の王様だ」と叫び、偽の王冠をかぶるデモ参加者も。

 これに対し、治安部隊の覆面警官がデモ参加者を次々と拘束、200人以上が逮捕されました。ゴメリでも抗議デモがあり、治安部隊は催涙ガスなどを使い、解散させました。

 ベラルーシの反政権派は、国内での逮捕や、弾圧を逃れて国外に脱出するなどして、国内にほとんど残っていません。しかし、一部の労組幹部などが今なお政権反対の旗を掲げ続けています。

 欧米諸国は、ルカシェンコ大統領就任式をいっせいに批判。ロイター通信によると、フランスのマクロン大統領は仏メディアに「民主主義の論理からして、ベラルーシ政権側の行動は受け入れられない」と表明し、ルカシェンコ氏の退陣を要求しました。

 これに対し、ベラルーシのマケイ外相は国連総会の一般討論でビデオ演説し、「欧米がベラルーシに大混乱と無政府状態を作ろうとしている」と非難し、内政干渉だと述べました。


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