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2020年9月28日(月)

2020米大統領選

米最高裁判事に保守派を指名

“選挙結果めぐる法廷闘争有利に”

「大統領選直前」に批判

 【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領は26日、連邦最高裁判所判事に、保守派のエイミー・バレット連邦高裁判事を指名しました。今月死去したリベラル派のギンズバーグ判事の後任人事で、今後、連邦上院が承認すれば正式に就任する予定です。トランプ氏による最高裁判事指名は3人目ですが、大統領選挙(11月3日)直前に指名することに対し、批判が噴出しています。


 トランプ氏は26日、ホワイトハウスで行われた指名セレモニーで「わが国で、最もすぐれ才能のある人物を最高裁に送ることを誇りに思う」と述べました。バレット氏は48歳。就任すれば5人目の女性最高裁判事となります。2017年にトランプ氏によって高裁判事に指名されました。妊娠中絶や医療保険制度改革(オバマケア)に反対し、銃を持つ権利に賛成するなど、保守的な姿勢が際立っており、熱心なカトリック教徒でもあります。

 今回の人事で最高裁は保守派6、リベラル派3となります。

 トランプ氏は、ギンズバーグ氏が死去してからわずか8日後、大統領選まで38日という時期に、後任判事を指名しました。新型コロナウイルスの感染拡大で、郵便投票が増える大統領選では投票日後の混乱が予想されています。選挙結果をめぐり法廷闘争となった場合、最高裁の陣容を自身に有利に働かせたいという三権分立を踏みにじる思惑があります。また、選挙を前にして、保守派・キリスト教右派の支持を強固にする意図もあります。

 16年2月にスカリア最高裁判事が死去した際、当時の野党・共和党は、大統領選の年であるとして後任判事の承認審議を拒否したにもかかわらず、今回は大統領選直前に承認を強行。矛盾を露呈しています。

 民主党のバイデン大統領候補は26日、「米国民が次期大統領と連邦議員を選出させる前に、上院はこの件で行動すべきではない」と主張しました。

 米紙ワシントン・ポストとABCニュースの共同世論調査(25日発表)では、57%が後任最高裁判事は「次期大統領が指名すべきだ」と回答。38%が「トランプ大統領が指名すべきだ」としました。


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