2020年9月9日(水)
沖縄全域から土砂
辺野古新基地 国の設計変更公表
九州も想定
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沖縄県は8日、同県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴い、防衛省沖縄防衛局が提出した設計変更申請書の縦覧を開始しました。期間は28日まで。この中で、埋め立て土砂の採取地を従来の1地区2カ所から、ほぼ県内全域の7地区9市町村に拡大したことが明らかになりました。(関連記事)
沖縄戦最後の激戦地・糸満や自衛隊基地の建設が強行されている宮古・石垣島も想定されており、全県で反発が広がることは避けられません。一方、鹿児島、佐賀、長崎、熊本4県・11地区も想定しており、沖縄県外と両にらみです。
従来の計画では、土砂のうち「岩ズリ」の多くを県外から調達するとしていましたが、変更後は、必要量約1690万立方メートルを上回る約4480万立方メートルが県内で調達可能としています。沖縄県では、県外からの土砂搬入を規制する条例が制定されました。これに対して、「全量が県内で調達可能」だとして県民をどう喝する狙いです。
設計変更申請書は、埋め立て予定海域北側の大浦湾に広がる軟弱地盤の改良に伴って今年4月に提出されたもの。申請書は、着工からの工期を約10年と見込んでいます。玉城デニー知事は年明けにも判断を下しますが、承認しない見通しです。
■九州で想定されている採取地区
【佐賀県】伊万里
【長崎県】五島
【熊本県】宇城、天草
【鹿児島県】北薩、鹿児島、南薩、姶良・伊江、大隅、奄美大島、徳之島