2020年9月6日(日)
日本の子「精神的幸福度」最低水準
ユニセフ調査
少人数学級や心のケア課題
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国連児童基金(ユニセフ)は5日までに、38カ国の子どもの幸福度についての調査で、日本は「身体的健康」ではトップだったものの、「精神的幸福度」は自殺率の高さなどから37位と最低レベルだったとする報告書を公表しました。
調査は、経済協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)に加盟する国々を対象に、比較可能な調査結果から、子どもの「身体的健康」(死亡率、過体重・肥満の割合)、「精神的幸福度」(生活満足度、自殺率)、「スキル」(読解力・数学分野の学力、社会的適応力)の3分野の順位を示しています。
それによると、3分野を総合した「子どもの幸福度」は1位のオランダにデンマーク、ノルウェーが続き、日本は20位でした。
日本は「身体的健康」の分野では、肥満の割合がもっとも少なく1位でした。
一方、「スキル」では、新しい友だちをつくるなどの社会的適応力で最下位クラスの27位となりました。
さらに「精神的幸福度」では、15歳時点での生活満足度の高い子どもの割合は62・2%で平均(75・7%)を下回り、15~19歳の自殺率(10万人あたりの自殺者数)は7・5人で平均の6・5人を上回るなどしたため、ワースト2位の37位という厳しい結果となりました。
厚生労働省の「自殺対策白書」(2019年度)によると、10歳代の死因のトップは自殺で、その原因・動機では、学校でのいじめや教員による暴力・ハラスメントなどによる「学校問題」が最多。学校でのいじめ、暴力・ハラスメントをなくす取り組みとともに、少人数学級や教職員の抜本的増員などによる、子どもの精神的ケアの充実が重要な課題となっています。