2020年9月4日(金)
「安倍政治」とのたたかい 決着は総選挙でつけよう
志位委員長が表明
日本共産党の志位和夫委員長は3日、党本部で開かれた全国都道府県委員長会議で中間発言を行い、「いま自民党内で『安倍政治』の礼賛と継承の大合唱が起こっている。安倍首相が辞めても、『安倍政治』とのたたかいの決着はついていない。その決着は総選挙でつけなければならない。来たるべき総選挙を、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、政権交代をかちとり、『安倍政治』を名実ともに終わらせ、野党連合政権に道を開く選挙にしていくために力をつくそう」と呼びかけました。
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志位氏は、「特別月間」成功のとりくみと一体に、「解散・総選挙がいつあっても対応できるとりくみ」の必要性を訴え、国民の中に広く打って出て、宣伝・対話を広げることが情勢の急変の中できわめて重要な活動となっていると指摘。総選挙にどういう基本姿勢でのぞむのか、どういう内容を訴えることが大切かについて発言しました。
志位氏は、安倍晋三首相の辞任表明を受けての記者会見で、「新しい激動的な時代が始まった」と述べたことに触れ、「辞任は、直接は健康悪化が理由ですが、内政、外交、コロナ対応、あらゆる面での『安倍政治』の行き詰まりの結果にほかなりません」と強調。「追い詰めた力――国民の世論と運動、市民と野党の共闘、日本共産党の奮闘に確信をもって意気高くたたかいたい」と語りました。
同時に、「自民総裁選の状況にてらしても、『安倍政治』とのたたかいは決着がついていない、たたかいは続く」と強調しました。
7年8カ月の安倍政権の「負の遺産」のなかでも最悪の暴政は、2015年9月の安保法制=戦争法の強行だと強調。これは国のあり方を根本から覆す歴史的暴挙だっただけでなく、憲法解釈の乱暴な改ざんが、あらゆる面での政治のモラル崩壊をもたらし、国政の私物化への道の暴走につながっていったと指摘。自民党総裁に名乗りをあげている3人の「有力候補」はすべて閣内で戦争法の暴挙を推進し、自民党・公明党の全体が、立憲主義破壊に共同責任を負っていると批判しました。
総裁選で、自民党内で「安倍政治」の礼賛と継承の大合唱が起こっていることについて、「目を覆うような異常な光景」だとして、「辞任表明は、『安倍政治』の行き詰まりの結果なのに、行き詰まった路線を続けるほかに選択肢をもたない。いわば『二重の行き詰まり』に陥っている。ここには日本の政権党の陥った劣化・硬直化・政治的退廃がまざまざと示されている」と強調しました。
会議への報告で、後継首相に誰がなっても、「政治的基盤がより不安定な政権」になると指摘したことに触れて、選挙で審判を受けていないことに加えて、「安倍政治」を続ける点でも「より不安定」な政権になると指摘しました。
このもとで、早い段階での解散・総選挙にも対応できるように積極的なとりくみを行うとともに、「いま『特別月間』を何としても成功させることが決定的に重要です。『特別月間』の成否は、総選挙の勝敗に直結していることを肝に銘じて、心一つにがんばり抜こう」と呼びかけました。
その上で志位氏は、「安倍政治」が残した「負の遺産」と「転換の方向」はどういうものかと問いかけ、第28回党大会・第一決議で深い解明がなされていると指摘しました。
「負の遺産」について、第一決議が安倍政権の7年間を「憲法と平和、暮らしと経済、民主主義と人権などあらゆる分野で……史上最悪の暴政の連続」と指弾したとして、(1)「憲法と立憲主義の破壊――『戦争する国』に向かう暴走政治」(2)「戦後最悪の大増税を押し付け、暮らしと経済を根こそぎ破壊」(3)「大国に追随し、覇権主義にモノが言えない屈従外交」(4)「侵略戦争と植民地支配を美化する歴史逆行と排外主義」(5)「強権とウソと偽りと忖度(そんたく)の、究極のモラル破壊の政治」――の五つの角度から全面的な告発を行ったと紹介。また大会後に付け加わった「行き当たりばったりのコロナ対策の失敗」も重大だと語りました。
その上で「転換の方向」について「安倍政治からの転換の三つの方向」として、「第一に、憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する。第二に、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる。第三に、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く」と打ち出したことを指摘。7月15日の記念講演で、新型コロナ危機の体験をふまえて、新自由主義からの転換、「ケアに手厚い社会」をはじめ「七つの提案」を行ったことは、「転換の三つの方向」を豊かなものとする内容になると強調しました。
この転換の方向性は野党間でも共有されつつあるとして、これを土台に政権をともにつくる合意をつくり、共闘のより発展的な具体化に力を尽くしたいと表明しました。
志位氏は、「総選挙を、『安倍政治』の『負の遺産』を一掃し、『安倍政治からの転換の三つの方向』『七つの提案』の方向で新しい政治をつくる――この旗を掲げて野党連合政権に道を開く選挙にしていこうではありませんか」と呼びかけました。
最後に、「『特別月間』を成功させ、強大な日本共産党をつくることは、この歴史的事業を達成するうえで、決定的な推進力となります」として、「『特別月間』を全党が心一つに何としても成功させ、来たるべき総選挙での勝利を必ず勝ち取ろう」と訴えました。
「特別月間」目標総達成へ
共産党が都道府県委員長会議
日本共産党は3日、「党員拡大を中心とする党勢拡大特別月間」最後の月である9月の活動を加速させるため、全国都道府県委員長会議を開きました。小池晃書記局長・「特別月間」推進本部長が報告と討論のまとめを行いました。参加者は活発に討論し、全党運動で目標を総達成する決意を固めあいました。