2020年9月1日(火)
富裕層への増税検討
英政府 新型コロナで財政悪化
【ベルリン=桑野白馬】英政府が新型コロナウイルスの感染拡大対策で実施した大規模な財政出動の財源を確保するため、企業や富裕層への増税を検討していることが分かりました。英紙サンデー・タイムズとテレグラフが30日、報じました。
それによると、スナク財務相は法人実効税率を19%から24%に引き上げることを検討。ドイツやフランス、スペインなど他の欧州諸国と比べ、依然として低い水準にあるとの認識を示しています。
また、株式や不動産などの資産売却益(キャピタルゲイン)に課税する「資本利得税」の引き上げも検討。別荘や賃貸用不動産の保有者が対象です。年金給付額が上昇するのを抑制することも盛り込み、規模は総額300億ポンド(約4兆2200億円)を見込みます。
資本利得税や法人税の増税は、最大野党、労働党のジェレミー・コービン前党首が昨年の総選挙時に訴えていた政策ですが、当時の保守党は反対していました。
英政府は新型ウイルスの感染拡大を受け、民間企業が労働者の雇用を継続した場合に賃金の8割を保証するなどの経済政策を次々と実施してきました。