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2020年8月30日(日)

黒人銃撃事件 不正義に抗議する

NBA ボイコットから再開

「社会正義の連合」結成

 米プロバスケットボール協会(NBA)のプレーオフが、選手の抗議のボイコットで28日まで3日間中止されました。

 きっかけとなったのは、ウィスコンシン州に本拠地を置くミルウォーキー・バックス(東カンファレンス1位)の選手が26日、試合直前にボイコットを表明したことでした。

 選手たちが発表した声明は、「ここ数日の間、われわれのホーム、ウィスコンシン州で、ジェイコブ・ブレイク氏がケノーシャ市警によって7発の銃弾を背中から撃ち込まれ、さらにデモ隊が銃撃される恐ろしい映像を見てきた。変化を求める圧倒的な声にもかかわらず、何の行動もとられていない。そのため、私たちが今日の焦点を向けなければならないのはバスケットボールではない」とボイコットに踏み切った理由を説明します。

 選手らは、「ジェイコブ・ブレイク氏への正義」と銃撃した警官への処罰を求めるとともに、「数カ月間、何も行動を起こしてこなかったウィスコンシン州議会が再招集され、警察の説明責任や残虐行為、刑事司法制度の改革について有意義な措置を取ることが必要不可欠だ」と政治、行政、司法に対する要求を突きつけました。市民に対しては、「平和的で責任ある行動」をとり、11月3日の大統領選挙で投票するよう呼びかけました。

 この声明を、バックスの球団は直ちに支持。NBAの選手協会(NBPA)のミシェル・ロバーツ事務局長も、「選手たちは、この問題について黙ってはいないということを、改めて明らかにした。この不正に抗議するという形をとったバックスの選手と、本日の試合を全て延期するという決断を支持する」と表明しました。

 さらにNBAとNBPAは28日、社会正義や黒人コミュニティーの経済的地位向上に共同で取り組むことで合意し、プレーオフも29日から再開される運びとなりました。

 NBAのアダム・シルバー・コミッショナーとNBPAのロバーツ事務局長は共同声明で、「社会正義を促進する場を提供」し、「黒人コミュニティーの経済的地位向上」のための基金の創設で合意したと発表。投票へのアクセス、市民参加の促進、警察・刑事司法の改革などに取り組んでいくとしています。(伊藤寿庸)


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