2020年8月30日(日)
なんだっけ
「敵基地攻撃能力」の保有って?
Q 敵基地攻撃って?
A ある国から弾道ミサイルなどで攻撃された事態を想定し、攻撃される前に相手の領域内にあるミサイル発射基地などの拠点施設を攻撃・破壊することです。自民党の「抑止力向上に関する提言」を受け、政府はミサイル防衛戦略に関する安全保障政策の見直しを協議し、敵基地攻撃能力の保有を検討しています。
Q なぜ保有しようとしているのですか?
A 安倍晋三首相は、各国のミサイル技術の向上を挙げ、「迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのか」(28日の記者会見)として、保有を強調しています。ただ、自民党の提言が「日米の対応オプションが重層的なものとなるよう、わが国がより主体的な取り組みを行う」と述べているように、実態は米国と一体になった軍拡の推進といえます。
Q どんなことが行われるの?
A ミサイル基地など攻撃目標の正確な位置を把握してレーダーなどを無力化し、攻撃や追撃をします。そのためには、監視衛星やステルス戦闘機、敵レーダーをかく乱する電子攻撃機、長射程ミサイルなどの兵器体系の整備が必要で、莫大(ばくだい)な費用がかかります。
Q 憲法との関係は?
A 「攻撃的兵器を保有することは、自衛のための最小限度の範囲を超えることになるから、いかなる場合も許されない」としてきた歴代政府の憲法上の立場を完全に蹂躙(じゅうりん)することになります。事実上の先制攻撃であり、明白な国際法違反です。
(2020・8・30)