2020年8月29日(土)
コロナ休校 世界15億人
ユニセフ 3分の1「遠隔学習」できず
国連児童基金(ユニセフ)は27日発表した新たな報告書で、新型コロナウイルス感染症のために、世界の学齢期の子ども約15億人が休校となり、そのうち少なくとも3人に1人、4億6300万人が「遠隔学習」を利用できなかったと明らかにしました。
報告書は100カ国のデータから、就学前教育、小学生、中学生、高校生に相当する子どもが遠隔学習に必要な家庭用機器などを利用できたかどうか分析。その結果、最も影響を受けたのがサハラ以南のアフリカで、子どもの半数が遠隔学習を利用できません。
また、最貧困世帯や農村部に暮らす子どもは、休校中に学習を中断する可能性が圧倒的に高く、世界全体で遠隔学習を利用できない子どもの72%はそれぞれの国の最貧困世帯に属しています。
年齢層によって利用率に差があり、就学前教育の子どもの約70%(1億2000万人)、小学生の少なくとも29%(2億1700万人)、中学生の少なくとも24%(7800万人)、高校生の少なくとも18%(4800万人)が遠隔学習を利用するための機器を持っていません。
ユニセフのフォア事務局長は「世界的な教育の非常事態だ」「この影響は今後何十年にもわたって経済や社会に影響を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らしています。