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2020年8月26日(水)

公選法違反初公判

大型買収 100人に現金

河井夫妻 無罪主張 供与は認める

 昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる大型選挙買収事件で、地方議員らに票の取りまとめを依頼する目的で現金を配ったとして公職選挙法違反罪に問われた前法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の案里被告=ともに自民党を離党=の初公判が25日、東京地裁で開かれました。河井夫妻側は現金供与をおおむね認めつつ、無罪を主張しました。(安川崇)


 前法相は同選挙区に立候補した案里被告を当選させる目的で昨年3月から選挙後の8月まで、計100人に約2900万円を配り、案里被告は共謀してうち5人に170万円を配ったなどとして同法違反罪(買収、事前運動)に問われています。

 焦点は資金提供の趣旨。検察側は冒頭陳述で、この選挙で自民党本部が党広島県連の反対を押し切り、現職1人に加えて2人目の案里被告の擁立を決めたと説明しました。

 その上で、反発した県連が案里被告を支援しないと決めたことから、前法相は「案里被告の選挙情勢が厳しくなると予想し」、「地元議員や首長らに案里被告への投票と票の取りまとめを依頼し、その報酬として現金の供与を決めた」と述べました。

 その後、受け取った100人それぞれについて、前法相と案里被告が現金を配った様子を説明しました。

 これに対し前法相は「投票や票の取りまとめの依頼の趣旨で供与したものはない」と主張。案里被告も「統一地方選の陣中見舞いや当選祝いだった」と述べたほか、現金供与の一部を否定しました。

 前法相の弁護人も陳述し、「現金を受け取った者を一人も起訴していない。同種事例からみて均衡を欠く」と検察を批判。違法捜査だとして公訴棄却を求めました。

 この選挙をめぐっては自民党本部が河井氏側に、異例の1億5000万円を提供したことが分かっています。前法相は安倍晋三首相の側近の一人。首相の説明責任も問われます。


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