2020年8月20日(木)
陸自南スーダン部隊優遇
「戦力回復」予算 2億2800万円投入
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内戦による武力衝突が日常化していたアフリカの南スーダンに国連PKO(平和維持活動)で派遣されていた陸上自衛隊南スーダン派遣施設隊に、「戦力回復」のためとして特別に優遇する予算が2014年度からの3年間で2億2800万円投入されていたことが、19日までに明らかになりました。防衛省への情報開示請求などから判明したもの。
同予算は14年度、15年度がそれぞれ7000万円。16年度が8800万円です。宿泊施設は、いずれも自衛隊宿営地のある国連エリアの外の民間ホテルだといいます。
「戦力回復」予算とは、海賊対処行動や国際平和協力業務など海外任務の従事者を対象にした「ストレス解消宿泊経費」です。防衛省は、「厳しい環境下において、確実、効率的な任務遂行を継続するためには、隊員のストレスを解消させる休養が必要である」と事務連絡文書で定めています。
南スーダン派遣では、宿営地上空を砲弾が飛び交い、自衛隊のテント付近にも砲弾が着弾。政府軍と非政府軍による武力衝突の激化で、宿営地付近での戦闘も日常化しました。
安倍政権は「撤収」するどころか、逆に安保法制の実績づくりのため南スーダン政府軍との交戦の危険がある「駆けつけ警護」を盛り込んだ実施計画を閣議決定し、派遣を継続。現地部隊は、内戦の緊迫した中で、派遣隊員に実弾の装填(そうてん)を命令する事態にまで発展しました。
「戦力回復」予算をめぐっては、海上自衛隊ジブチ基地への3億1500万円が本紙の報道で明らかになっています。(山本眞直)