2020年8月15日(土)
イスラエル・UAE国交
パレスチナ「裏切り」と非難
トランプ米大統領は13日、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が国交正常化に合意したと発表しました。同氏とイスラエルのネタニヤフ首相、UAEのアブダビ首長国のムハンマド皇太子の3氏が電話会談し、合意しました。
アラブ諸国とイスラエル間の関係正常化は、エジプト(1979年)、ヨルダン(94年)に続く3カ国目。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「歴史的瞬間だ」と自らの仲介の成果と自賛し、「さらに多くのアラブ諸国が続くことを期待する」と述べ、アラブ諸国とイスラエル間の関係正常化の進展に期待を示しました。
アラブ諸国はこれまで、イスラエルが1967年の戦争で占領した地域から撤退することなどと引き換えに、イスラエルと国交正常化するとしていました。パレスチナのアッバス議長は声明で「パレスチナの大義への裏切り」とUAEを非難しました。
3カ国の共同声明は、イスラエルが占領するヨルダン川西岸の一部地域に対する「主権の宣言を一時停止」するとしました。UAEの閣僚はこれを成果とする一方、イスラエルの首相は「一時的」な停止であり、主権宣言=併合を「あきらめない」としています。
ポンペオ米国務長官は声明で、今回の合意が「共通の脅威に立ち向かう両国の決意を示すものだ」と強調。3国が「脅威」とするイランへの対応を重視したことを示しました。(ワシントン=池田晋、カイロ=秋山豊)