2020年8月9日(日)
命守る保育の基準を
全国保育合研 ウェブで開催
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「離れていても心を一つに、合研の火を消さない」―。8日、全国保育団体合同研究集会がウェブ上で開かれました。主催は同実行委員会です。
開催予定だった福島県と次回開催地の広島市をはじめ、各地を中継でつなぎ、東京電力福島第1原発事故や豪雨災害、新型コロナ感染症から子どもを守りつつ育てる保育の役割を、語り合いました。
同実行委員長の石川幸枝さんは、困難があっても子どもの幸せな日々をつくろうと保育を進めた中でわかったこととして、「保育所の最低基準が貧弱で、感染症が広がる“3密”が避けられない」と指摘。「命を守る基準を求めていこう」と呼びかけました。
フォトジャーナリストの安田菜津紀さんがシリアの子どもの現状や願いを語り、「無関心にならない道を足元から育てよう」とメッセージを寄せました。
各地の報告を中継。高知県の本山保育園の保護者は、休校と休園で4歳次女のかんしゃくがひどい時に園に相談。「発達上、順調よ」と励まされ、「親である私も支えてもらった」と話しました。
自治労連保育部会の武藤貴子さんは、感染が広がり休園した園の子どもを市の施設で保育するなど、緊急時の公立保育所の役割を強調。「連携のために、もっと余裕がほしい」と語りました。
東京都世田谷区尾山台保育園園長の遠山拓郎さんは、昨年の台風で床上浸水した際、公立保育園が年長児を引き受けたと紹介。「公立園が地域にある存在意義を、今こそ考えたい」とのべました。
シンポジウムでは福島大学名誉教授の大宮勇雄さん、福島市のさくら保育園前園長の齋藤美智子さん、大阪大谷大学教授の長瀬美子さん、関東学院大学教授の中西新太郎さんが発言。9日はオンデマンドで視聴できます。