しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年7月26日(日)

パラグアイ学費無償化

全8公立大で実施へ

上院可決、学生「運動の勝利」

 南米パラグアイの上院は23日、公立大学の登録料を廃止し学費を無償化する法案を全会一致で可決しました。新型コロナウイルスの感染拡大で経済的困難が広がるもとで学生らが始めた無償化要求の運動が政治を変えつつあります。


地図:パラグアイ

 現地メディアの報道によると、同国の公立大学では授業料の規定はありませんが、試験手数料や事実上の授業料の一部などを賄う名目で登録料の徴収が行われてきました。

 上院の採決にかけられた法案は、閣僚経験者などを含む与野党議員が共同で提出し、34人全員の賛成で可決されました(欠席11)。今後下院での採決を経て成立する見通しです。

 法案は、全国に八つある公立大学での登録料徴収を禁止するとし、財源には公共開発投資基金の7%などを振り向けると述べています。

 パラグアイでは、新型コロナの感染拡大を防ぐため、大学は閉鎖され、オンライン授業が行われています。ただ、インターネット環境が整備されず、経済困難もあり退学を余儀なくされた学生が4割にも達していると報じられています。

 こうしたもとで、アスンシオン国立大学の学生らが5月、学費無償化や施設整備など予算拡充を求める運動を開始。SNS上で「#登録料ゼロ」を付けた動きが一気に全国に広まりました。

 学生たちは23日、首都アスンシオンの国会前に集まり、上院での可決の報を受けると、運動の勝利だと喜びの声を上げました。アスンシオン大工学部の学生の一人マルセロ・ペドロソさんは地元紙に、法案が成立すれば、多くの学生が経済的理由で退学を検討する必要がなくなる、登録料廃止は「全国の公立大学への入学をより平等なものにするうえで大きな第一歩だ」と語りました。


pageup