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2020年7月11日(土)

冤罪で実刑・拷問 中国

人権弁護士・王氏「法の原則を破壊」

ネットに手記を公開

 中国で2015年7月に起きた人権派弁護士や活動家ら300人以上が当局に拘束された「709事件」で、懲役4年半の実刑判決を受け、今年4月に刑期を終えて北京に戻った人権派弁護士の王全璋(おう・ぜんしょう)氏は8日、インターネット上に手記を公開し、自らが受けた拷問などを告発し、自由や公正のためにたたかい続ける決意を表明しました。


 手記の中で王氏は、15年8月に山東省済南で拘束され、その後長期間にわたり、「死んだほうがまし」と思うほどの過酷な拷問を受けたことを明らかにしました。王氏は罪を認めたことはなく、「句読点すら書いたことはない」と強調しました。

 王氏は「もし人権を守る道を進み、権力が危険な敵とみなせば、一挙一動、生活の細部が記録され、罪に問われて拷問を受ける」と指摘。「国家安全の名目で、法律の原則を公然と破壊し、思うままに逮捕・起訴し、罪をなすりつけている」と当局を批判しました。

 王氏は自らを冤罪(えんざい)だとした上で、「すべての冤罪は名誉回復されるべきだ」とし、冤罪被害者を支援していくと表明。「人権派弁護士や活動家の要求は高くない。中国の憲法や法律上の最低限の自由と権利が保障されることを願っている」と訴えました。

 王氏は、地方政府による土地の強制立ち退き被害者や、中国で非合法となっている気功集団「法輪功」のメンバーらを支援してきました。15年の拘束後、家族にも行方が知らされず、19年1月に「国家政権転覆罪」で懲役4年半の実刑判決を受けました。

 王氏の妻の李文足さんは、他に拘束された弁護士の家族らと共に最高人民法院(最高裁)前で解放を訴えるなどの活動を続けてきました。李さんらは9日、この5年間に支援してくれた国内外の活動家やメディアに感謝するとした文書を公表しました。


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