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2020年7月10日(金)

香港国家安全法

教育現場にも圧力

抗議の歌も「人間の鎖」も禁止

 【北京=釘丸晶】人権抑圧を強める国家安全維持法が施行された香港で教育現場でも政府当局からの圧力が強まっています。楊潤雄教育局長は8日、政府への抗議行動のテーマソング「香港に栄光あれ」などの政治的メッセージを持つ歌を禁じる考えを表明しました。


 立法会(議会)議員の葉建源議員(教育界選出)の質問に答えたもので、香港メディアによると楊局長は「『香港に栄光あれ』は強烈な政治的メッセージを有し、何カ月も続いた社会政治事件、暴力及び違法事件に密接に関連している」と主張。「学校は絶対に生徒に校内で演奏や歌唱、放送させてはいけない」と述べました。

 また、楊局長は、生徒が大勢で手をつないで「人間の鎖」をつくることも「政治アピールの表現で他の生徒を扇動する」として「学校はすぐに制止すべきだ」と述べました。

 質問した葉議員は「学校の内外で歌を歌い、『人間の鎖』をつくることは平和的な意見表明の方法であり、政府の回答はマイナス感情に満ちている」と批判。「政府が強制的に歌唱を禁じ、生徒の意見表明の自由を抑えれば、逆効果となるだろう」と述べました。

 教育局は3日、小中高、幼稚園と特殊学校を含む香港の全学校に通告を出し、職員と生徒に国家安全維持法の順守を認識・意識させるよう指示。また、6日には学校に、国家安全に危害を加える行為に関わる閲読資料を生徒に提供しないよう求めるなど教育現場への圧力を強めています。


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