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2020年7月9日(木)

パンデミックで極度の貧困

有効な対応は「税の公平」

国連特別報告者 各国政府に要求

 国連人権理事会のデシュッター「極度の貧困と人権」特別報告者は7日、同理事会に報告書を提出し、「富の再分配をより大幅に行わないなら、ただ経済が成長しただけでは貧困に有効な対応はできない」と指摘、各国政府に「税の公平」を求めました。

 報告書は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)のために1億7600万人以上の人たちが極度の貧困に追いやられているが、貧困や不平等、人命の軽視に対する国際社会の取り組みは以前からひどかったと批判。世界の指導者や経済学者が貧困対策を「自画自賛」しても「現実には数十億の人にはチャンスがなく、限りなく冷遇され、直面する必要のない飢餓や予防可能な死に直面し、基本的な人権もない」と訴えました。

 「世界経済は冷戦終結以来、倍加したが、今も世界の半分は1日5・5ドル(600円弱)で生活している。経済成長の恩恵はほとんど最富裕層の手にわたっているのが主要な要因だ」と告発しました。

 政府が社会保護政策に必要な予算を確保するためには、税の公平が重要だと強調。2015年には、多国籍企業が推計で40%の利益をタックスヘイブン(租税回避地)に移す一方、世界の法人税率は1980年の平均40・38%から、2019年には24・18%に落ち込んでいると指摘しました。


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