2020年7月8日(水)
道路ふさぐ流された家 持病抱え避難所こわい
熊本県人吉市・球磨村の被災者
熊本県南部の記録的豪雨から丸3日を迎えた7日、被災地は道路の崩落、冠水、流出してきた泥により今もなお集落が孤立しています。時折雨が激しく打ちつける中、冠水で不通だった人吉市と球磨(くま)村をつなぐ国道は、自動車で渡駅(同村)まで入ることができました。(大串昌義)
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沿道には倒れた電柱が何本もあり、JRのレールが宙に浮いている箇所が確認できました。
駅近くの自動車整備会社代表の男性(70)は平型レーキで工場にたまった泥を取り除いていました。1階の事務所、2階の自宅にまで泥水が達しました。「流された近所の家が道路をふさいでいる。それを撤去するため、村はまず道路の泥を除去してほしい」と言います。
村の指定避難所には壁も床もないため、村は男性宅から30キロ離れた廃校への避難を勧めています。男性は球磨川が氾濫した4日から車中泊を続けながら、「自動車整備が生きがい」と再建に意欲をみせました。
高齢者世帯が多い人吉市大柿(48世帯)。1人暮らしの男性(67)は、糖尿病の持病があり、新型コロナウイルスへのり患を恐れ、避難所へは行きたくないと言います。かかりつけの病院も被災したため、男性は直接訪ね、1週間分のインスリンを確保しましたが、飲み薬や検査キットはもらえませんでした。現在、同級生の家に身を寄せていますが、「住めるところを見つけ、早く元の生活を送りたい」と語りました。