2020年6月29日(月)
香港 無言デモ
国家安全法案に反対
NGOや記者協会が声明・書簡
中国政府の香港への統制を強める「香港国家安全維持法案」が中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で30日にも採決されると伝えられる中、香港市民は抗議の声を強めています。28日は当局がデモを不許可にしたものの、市民はスローガンを叫ばない無言のデモ行進で、法案反対の意志を示しました。
香港の非政府組織(NGO)や非営利団体(NPO)の関係者ら約1900人は26日、連名で声明を発表し、法案に「強い反対」を表明。法案が香港の自治や法治、人権、自由にマイナスの影響があるとし、立法プロセスをすぐに停止するよう求めました。
香港記者協会も同日、全人代の栗戦書(りつ・せんしょ)常務委員長宛ての公開書簡を公表し、法案の撤回を要求。書簡は、法案が「人権や自由の保障、メディアの自由、記者の取材の自由などに大きな衝撃をもたらす」と懸念し、条文の公開と市民の意見を聞くことを訴えました。
公共医療医生協会の馬仲儀会長は27日の記者会見で、国家安全維持法で公務員としての医療関係者も香港基本法(憲法に相当)への宣誓を求められたらどうするか問われ、「受け入れない。医療従事者が重視するのは患者だけだ」と強調しました。(小林拓也)