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2020年6月20日(土)

米不法移民の子ども救済措置撤廃は無効

「ドリーマーズ」の勝利

連邦最高裁が判決

 【ワシントン=遠藤誠二】米連邦最高裁判所は18日、幼少期に親に連れられて米国に渡った「不法移民」の子どもたち、いわゆる「ドリーマーズ」を強制退去としないオバマ前政権の救済措置(DACA)を撤廃したトランプ政権の措置を無効とする判決を下しました。撤廃撤回を求めたたかってきたドリーマーズたちの勝利です。


 判決は5対4で、保守派のロバーツ長官が4人のリベラル派判事とともに賛成にまわりました。トランプ政権によるDACA撤廃は行政手続き上、違反にあたると指摘。他方、「DACAそのものや廃止の是非については判断しない」との姿勢をとり、トランプ政権側が新たな訴訟にでる余地を与えています。しかし、トランプ大統領の残りの任期で、再びDACA撤廃ができる可能性は低いといわれています。

 トランプ政権は2017年9月、オバマ前政権が始めたDACAを撤廃すると発表しました。これを受けてドリーマーズ、ヒスパニック系団体、人権団体らによる反対運動が起こりました。各連邦地裁で撤廃差し止めの判決が下されましたが、トランプ政権が不服として最高裁に上訴していました。

 ドリーマーズは主に、メキシコや中米等から米国に来た「不法移民」の子どもたち約70万人。DACAによって滞在許可を与えられ就学、就職し、米国市民と同様、国家に貢献しています。

 トランプ大統領は判決を受け、「ひどい政治色の濃い判断だ。保守派や共和党支持者と誇りを持っている人たちの顔を散弾銃で撃つようなものだ」とツイッターに投稿しました。

 オバマ前大統領は、「ドリーマーズ、彼らの家族、そして私たちすべてにとってうれしいことだ。みんな容姿も違うし、いろいろな所から(米国に)来ている。しかし、私たちの共有する理想が米国人となっているのだ」とSNSで発信しました。

 最高裁は15日にも、移民法の執行を妨害したなどとしてトランプ政権がカリフォルニア州を訴えていた裁判で、同政権の訴えを認めなかった一審、二審の判断を支持し、上告を退けていました。


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