2020年6月19日(金)
人種差別・警察暴力根絶へ
国連人権理事会が緊急協議
フロイドさん弟「米の黒人助けて」
スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会は17日、米国中西部ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察官に押さえつけられて死亡した事件を受け、世界各地で起きている警察の暴力や人種差別問題を緊急協議しました。(桑野白馬)
協議は、同事件を受けてアフリカ諸国が12日に理事会に開催を求め、緊急に開催されました。フロイドさんの弟のフィロニーズさんが米国からビデオメッセージをよせ「私の兄が拷問を受け殺害された映像が、米国で黒人がどのように扱われているか示している」と強調。各国に「あなたたちには兄のために正義をなす力がある。米国の黒人を助けてほしい」と訴えました。
また、事件後に拡大した抗議活動の参加者や報道関係者も警察の暴力の犠牲になっていると訴え、米警察による黒人の殺害や平和的デモに対する暴力を調査する独立委員会の設置を求めました。
協議は19日までの会期で、人種差別の根絶に向けた決議案の採択を目指します。
国連のバチェレ人権高等弁務官は「黒人も、先住民も、どんな色の肌であっても命は大切だ。すべての人間は生まれた時から平等の尊厳と権利を持っている」と述べました。
各国代表も意見を表明。南アフリカのノジッポ国連大使は、理事会が「特に奴隷貿易の子孫と被害者のために、弱者の究極の擁護者でなければならない」と強調しました。
米国は2018年に同理事会を脱退しているため、討論には参加していません。