2020年6月13日(土)
知りたい聞きたい
日本政府は米国債買っている?
本当、保有残高分からず
Q 日本政府はアメリカの国債を買っていると聞きました。それは本当ですか?(兵庫県、男性)
A 本当です。一般にアメリカの国債(米国債)といわれるのは、アメリカ合衆国財務省証券です。日本財務省と日銀が管理している外貨準備の中に外国の証券があり、米国債もその中に含まれています。
日本財務省の6月5日の発表によると、5月末現在、外国の証券の保有残高は1兆1759億8500万ドル(約126兆円)です。しかし、日本政府がその内訳を公表しないので、米国債の保有残高は分かりません。
他方、米財務省が5月15日発表した米国債の国別保有残高によると、3月末現在、日本は1兆2717億ドル(約136兆円)で、第1位です。しかし、そのうちの日本政府の持ち分は、やはり不明です。
ただ、日本財務省は、世界の貿易決済や為替取引で最も大きな比重を占めるのが米ドルなので、それに相応する米国債を保有していることは認めています。
1997年6月、当時の橋本龍太郎首相が米コロンビア大学での講演で、「私は何回か日本政府が持っている財務省証券(米国債)を大幅に売りたいという誘惑に駆られたことがある」と述べたことで、ニューヨーク証券市場で株や米国債が急落したことがありました。
ちなみに、外貨準備は主に、外国為替市場で円買いの介入を行うための資金として保有されています。その原資は、外国為替特別会計法に基づいて発行される外国為替資金証券という短期の国債で調達します。(2020・6・13)