2020年6月6日(土)
持続化給付金事業 電通本体に104億円
経産省も「予算ではそうなっている」
実際の業務は不明
国の持続化給付金事業を769億円で受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の大部分を再委託された広告大手の電通が約104億円を得ることが5日、分かりました。同日、国会内で開かれた野党合同ヒアリングで明らかになったもの。
野党ヒアリング
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この事業では、749億円で再委託を受けた電通が自身の子会社5社に外注していました。内訳は経産省の担当者によると、▽電通ライブ595・7億円▽電通テック7・8億円▽電通国際情報サービス19・8億円▽電通デジタル16・3億円▽電通東日本5・5億円―です。この結果、電通には約104億円が残ることになります。
電通は、この事業で申請受け付けから審査までの統合的な管理・運営、サポート業務の管理、広報などをすることになっています。これらの業務は子会社にも外注しており、電通本体で実際にどんな業務をしているかは不明です。
ヒアリングでは野党議員が、「委託費769億円のうち、電通に104億円の金が入るという理解でいいのか」と質問。経産省の担当者は「現行の予算ではそうなっている。まだ確定ではない」などと述べました。
この事業では給付金の受け付けやコールセンター業務の外注を受けた電通ライブ社が、さらに派遣大手のパソナ、IT業のトランスコスモスに外注していました。
電通、パソナ、トランスコスモスはいずれも、サービスデザイン推進協議会を設立した社員です。ヒアリングでは法務省の担当者が、一般社団法人の議決権は社員にあると説明。野党議員からは「電通、パソナ、トランスコスモスに議決権があることになる。議決権がある人物たちが、一般社団法人を通して受けた業務を、自らの企業に再委託、外注した」との指摘がありました。
またヒアリングでは、受け付け開始初日の5月1日に申請したのにいまだに給付されていない企業・個人が約9千件あることが問題になりました。野党議員は「経産省や中小企業庁は、個別の情報を把握しているのか」とただしました。経産省は「全てを把握できていない」などと答えるのみでした。
日本共産党の高橋千鶴子、笠井亮の両衆院議員が参加しました。
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