しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年6月3日(水)

米の人種差別抗議 警官も連帯

平和的デモ広がる

 米中西部ミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系(黒人)男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害されて1日で1週間が経過しました。全米約140都市に広がった抗議デモは、ほとんどが平和的に行われ、警察官が参加したところもあります。人種差別を助長する言動を繰り返すトランプ米大統領に対し、国際的な批判も強まっています。

犠牲者の弟も“暴力回避を”

 1日にはミネアポリスの事件現場を数十人の人たちが訪れ、花束をささげたり、メッセージをその場に残したりしました。

 ロイター通信によると、ジョージ・フロイドさんの弟テレンスさんが集まった人たちに訴えました。暴力や破壊に訴えるのではなく、よく学んで選挙に行ってほしいと発言。「違ったやり方で抗議を」と述べました。

 オバマ前大統領は同日、ネット上に投稿し、抗議デモの圧倒的多数は平和的だが、「少数」が人々を危険にさらし、抗議行動が支援すべき共同体そのものを損ねていると指摘しました。

 フロイドさんを死亡させた白人警察官(44)は第3級殺人(計画性のない殺人)などで訴追され、保釈中。8日に出廷の予定です。また事件に関わり逮捕された他の3人の警察官は訴追を免れています。

警棒を外し歩み寄ると……参加者から「一緒に歩こう」

 【ワシントン=池田晋】米ミネソタ州での白人警官によるアフリカ系(黒人)男性ジョージ・フロイドさんの殺害事件を受けた抗議行動で、一部の暴徒化や、警察のゴム弾や催涙ガスなどを用いた横暴な取り締まりが報じられる一方、警察官が平和的なデモ参加者の呼び掛けに応じ、抗議行動に連帯を示す事例も各地から報じられています。

 ミシガン州フリントでは5月30日、白人のスワンソン保安官が警棒やヘルメットをはずして参加者に近づき、「われわれがここにいるのはただ、あなたたちが声を出せるようにするため。どうしてほしいか教えてほしい」と歩み寄りました。

 参加者は「一緒に歩こう」とコールで合流を歓迎。参加者と肩を寄せ合いながら歩きはじめる保安官らの姿を地元テレビWEYIが伝えています。

 2014年に白人警官による射殺事件後、大規模デモが起きたミズーリ州ファーガソンでは、自らもアフリカ系のアームストロング警察署長が同日、参加者らと一緒にデモ行進。他の署員らも、約9分間、地面に片膝をついてフロイドさんに敬意を表しました。

 同署長は地元メディアの取材に対し、14年の事件は「リーダーとして住民と良い関係を築くよう、私の目を覚ましてくれた」と語りました。


pageup