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2020年6月1日(月)

守れ「美肌の湯」広がる連帯の輪

コロナ直撃 支える常連客・議員

山形・西川町 志津温泉

 山形県の中央部、西川町の磐梯(ばんだい)朝日国立公園の出羽三山地域にある志津温泉。アトピーに優しい「美肌の湯」で評判の温泉郷で、営業を守る温かい連帯の輪が広がっています。(山形県・佐藤誠一)


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(写真)旅館「孝庵」=26日、山形県西川町

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(写真)旅館「仙台屋」館主の清野さん=25日、山形県西川町

 山形市、鶴岡市から車で1時間。かつては、出羽三山への行者や参詣客の宿場町としてにぎわいました。

 月山(がっさん)スキー場の積雪は10メートルにもなるため、4月~7月の春・夏がスキーの本番です。県外の宿泊客が9割を占め、トレッキングや夏合宿などを含め、10月までが書き入れ時です。

 新型コロナ対策で、同温泉の10軒ほどの旅館は4月13日から営業を自粛し、5月11日から県内の宿泊客だけを受け入れる対応をしています。

 191年前の「文政12年(1829年)」と記されたお膳を手にするのは、旅館「仙台屋」館主の清野正一さん(68)。「最も収入が期待できる重要な時期をコロナに襲われ、本当に痛い」と苦しい胸の内を明かします。

 遅すぎた国の持続化給付金を、5月1日に申請したと言います。「県の緊急経営改善支援金と町独自の上乗せ給付申請、県に融資の手続きと、営業を続けられる手だてを尽くしました。県外からのお客さんが一日も早く宿泊できるよう早く見通しをつけてほしい」

 西川町大井沢地区で20年にわたって夫と二人で旅館を営んできた「孝庵」のおかみ、小山裕子さん(69)は、リピーターからの予約希望の電話に「まだ自粛期間なので地元の山菜を贈ります」と答えると、「なんとしても孝庵の小山さんに会って話をしたい」とリピーターの情熱が伝わり、熱いものがこみ上げてきました。

 春夏の月山スキー、渓流釣り、山菜料理と、小山さん夫妻の人柄に魅力を感じたリピーターのほとんどは、県外から訪れる人たちです。

 NHK朝の連続テレビ小説「おしん」のロケ地の一つだった同地区。ゴールデンウイークの山菜やイワナから秋のキノコまでが繁忙期で、小山さん夫妻はその収入で冬を過ごす暮らしを続けてきました。

 客がなくなり、収入が途絶えても、光熱費や浄化槽管理料など固定費は発生します。日本共産党の佐藤光康町議や役場職員の助言で国や県の補助金を申請することができました。

 小山さんは語ります。「佐藤さんは相談ごとに気持ちよく乗ってくれました。彼の行動力はすばらしい」

 コロナ禍の深刻な実情を把握しようと、町内を何度も駆け回った佐藤町議。「県外からの宿泊客が安心して訪れることができるようにすることと、町民に暮らしを守る制度を知らせ、解決に頑張りたい」と語っています。


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