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2020年5月31日(日)

アフリカ系住民殺害警官 逮捕

全米で抗議やまず

 【ワシントン=遠藤誠二】米中西部ミネソタ州の最大都市ミネアポリスで警官が無抵抗のアフリカ系住民を倒し首に膝をかけ死亡させた事件で、地元捜査当局は29日、この警官(免職)を殺人等の容疑で逮捕しました。一方で、同事件に対する抗議行動はやまず、全米に広がっています。

ミネアポリス

 逮捕された警官は、25日夜に偽造の疑いで拘束したジョージ・フロイド氏(46)を後ろ手に手錠をかけ地面に倒した後、「息ができない」との訴えにもかかわらず5分間以上にわたり左ひざで首筋を圧迫しました。フロイド氏はその後、死亡しました。

 その様子はビデオ撮影されSNS上に拡散。白人警察によるアフリカ系住民への過剰な暴力が社会問題化しながら、同様の事件が後を絶たないことに、全米中に憤激が巻き起こりました。今回の警官も白人です。

 事件に関わった他の3人の警官(免職)も起訴される見込みです。

 同事件をめぐり、ミネアポリス市内では29日も抗議行動が続きました。一部が暴徒化し略奪も発生し、28日夜には市内の警察署が放火されました。市内には夜間外出禁止令が出されましたが、デモ隊は無視しています。

 抗議行動は、ニューヨークやワシントン、ロサンゼルス、アトランタ、サンノゼ、デンバーなど米国各地に広がっています。29日夜、ホワイトハウス前でもデモが続いています。

 非常事態宣言の出されたミネソタ州での抗議行動を受けトランプ大統領はツイッター上に、「略奪が始まれば射撃が始まる」とコメントし、ツイッター社は29日、「暴力の賛美」との警告を表示しました。

 民主党のバイデン前副大統領は、ミネアポリスでの事件について「だれも沈黙することはできない。だれもが、これ以上、『息ができない』との声を聴くことのないよう、われわれは自身の行いすべてにおいて正義を追求すべきだ」とのコメントをツイッターに投稿しました。


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