2020年5月25日(月)
コロナ危機 不公平や暴力 変えていく
19カ国の学者・労働者ら 世界連帯マニフェスト
【ワシントン=遠藤誠二】新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、19カ国の学者、作家、芸術家、労働者、学生らが23日、同ウイルス感染拡大の対応とともに環境や社会構造への新自由主義的な攻撃を終わらせ諸国民の健康と幸福を守ることを呼びかける「世界連帯マニフェスト」を発表し、連合体を結成しました。沖縄在住の宮城千恵さんらも参加しています。
同連合体は、今回の事態がもたらした危機は、世界中でまん延する不公平や暴力の構造を変えていく必要性を明らかにしたとして、「1%の富裕層が69億人が得る2倍を上回る富を手にしており、富と力の根本的な再分配が緊急に必要になっている」と主張しています。
呼びかけたメンバーや賛同する世界中の人々が、ネットを通じたイベントに参加し、マニフェストを正式に宣言しました。
マニフェストは、▽強固な国民皆保険制度の実施▽紛争の即時停戦▽持続可能性がなく「際限のない成長」という幻想に基づく資本主義経済を改める▽すべての労働者を新型コロナウイルスから守る▽女性、暴力被害者、高齢者、貧困層、人種少数派、性的マイノリティー、先住民、障害者ら弱い立場の人々への完全な保護―などを求めています。
ネットイベントでアメリカン大学のピーター・カズニック教授は、世界での反戦、反核、反基地などの運動が連帯を広げるとして、「2020年代を進歩的な10年にする」可能性について言及。より多くの人にこの訴えを伝える必要性を語りました。