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2020年5月15日(金)

福島・飯坂温泉 温泉街「生き残りたい」

旅館・ホテル休業 一般商店まで売り上げ激減

補償・支援“行政は早く”

 新型コロナウイルスの影響で旅館・ホテルの臨時休業が続く福島市の飯坂(いいざか)温泉街。関連業者だけでなく、一般商店まで売り上げが激減し、地域経済破綻の危機という様相を呈してきました。確実、敏速に自粛への補償を求める声は切実さを増しています。(福島県・野崎勇雄)


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(写真)週末にもかかわらず人影がない飯坂温泉街=9日、福島市飯坂町

 「旅館・ホテルのほとんどが臨時休業しています。営業再開できないと、温泉街も存続できない。何としても生き残りたい」。こう苦しい胸の内を語るのは、飯坂温泉旅館協同組合の紺野正敏理事長です。「そのために国や県は雇用調整助成金の申請をもっと簡潔にし、金額も引き上げてほしい。持続化給付金も含めて1回きりにしないよう求めたい」と話します。

 夫と酒店を切り盛りしてきた女性(66)は「旅館だけでなく、飲み屋もほとんど閉まっています。配達依頼もない。4月の売り上げは(前年同月比)約8割減。これでは町の小売り屋がなくなってしまう」と危機感を強めています。

 生鮮食材を扱う女性(53)は「ほとんどが旅館相手なので売り上げはゼロに近く、1日に2万円までいかない。かといって電灯や冷蔵庫はつけておかなくちゃならないし」と嘆きます。

 影響は旅館やホテルと直接契約している店だけではありません。

 同温泉街など市内各所に店舗を持つ食品店の専務(68)は「5月の連休は書き入れ時で、例年だとこの数日間に売り上げ約300万円。今年はそれがなく、本当にひどい状況です。まず18人いる店員の給料支払いが大変」と言います。

 やはり市内で店舗を数店持つ飲食業の役員(71)は「先月21日から各店とも休業中です。この店は3月下旬から売り上げが急落し、休業前日はお客が1人だけ。4~5月は本来、一番の稼ぎ時なのに。従業員の給料をどうしたらいいか」と頭を抱えました。

 旅館などの休業が続き、売り上げ激減の店が広がる中で、地域経済が大きく疲弊しています。

 福島県商工団体連合会(福商連)副会長の斎藤朝興さん=飯坂町在住=のところには、旅館や業者から雇用調整助成金や持続化給付金など、補償制度についての問い合わせが相次いでいます。「具体的な支援制度がすべての業者に行き渡っているとは言えないと痛感しています。行政は緊急に支援の手を差し伸べる必要がある」と訴えます。


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