2020年5月13日(水)
新型コロナ 韓国・中国 感染再び拡大
登校再開を1週間延期
韓国
韓国の防疫当局は12日、ソウル市の繁華街・梨泰院で集団感染が発生したことを受け、来訪者に対し速やかに検査を受けるよう促しました。教育庁はこれに先立ち、13日から再開する予定だった高校3年の登校を1週間延期すると発表しました。
防疫当局によると12日正午現在、102人の感染を確認。ソウル市の64人をはじめ京畿道23人、仁川市7人などとなっており、全国に感染が広がる可能性があります。
ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は12日の記者会見で、「感染現場の施設周辺の携帯電話基地局に接続した人の名簿1万905人分を入手した」と明らかにしました。4月24日~5月5日に、1カ所に30分以上滞在した人が対象。ソウル市は、すでにメッセージで検査を受けるよう呼び掛けたとしています。
同市はそれより先、店舗側から提供を受けた来訪者5517人の情報に基づき、電話連絡などで検査を促していました。
朴氏は会見で、感染経路のなかに性的少数者が集う店があったことを考慮し、「人権団体と協力して、人権侵害の予防ホットラインも開設する。個人情報は徹底的に管理する」と約束。11日から匿名で検査が受けられるようにしており、「心配せず、自発的に検査を受けてほしい」と語りました。(栗原千鶴)
吉林省で集団感染
中国
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【北京=釘丸晶】中国東北部の吉林省舒蘭市で新型コロナウイルスの集団感染が確認され、同省政府は10日、前日に「低リスク」から「中リスク」に引き上げた同市のリスク等級をさらに「高リスク」に引き上げました。全国的にリスク等級が引き下げられる中、同市は中国国内で唯一の「高リスク」地域となりました。
同市の金華市長は11日に開いたビデオ記者会見で「全面的に戦時状態に入った」として「最も厳格な管理措置を取り、感染防止に全力を尽くす」と宣言。交通制限や地域での封鎖措置を始めました。
同市は吉林市を構成する行政区の一つ。中国メディアによると7日に舒蘭市公安局(警察)の洗濯作業員の女性(45)の感染が確認され、9日には女性の家族や濃厚接触者など11人への感染拡大が確認されました。
10日には女性の夫と接触した3人からも感染が確認され、うち2人は吉林市豊満区在住で、舒蘭市以外にも感染が広がったことになります。豊満区のリスク等級は「中リスク」に引き上げられました。
中国では5月に入って湖北省武漢市で再び集団感染が確認されるなど「第2波」への警戒が高まっています。武漢市は11日、通知を出し、今後10日以内に全市でPCR検査を行うと発表しました。