2020年5月6日(水)
新型コロナQ&A 暮らしと営業 お役立ち編
世論の力「1人10万円」
政府は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための「緊急事態宣言」を、全国を対象に5月末まで延長することを決定しました。今度こそ、「自粛と一体で補償を」の声を大きくし、実現する必要があります。日本共産党は、医療体制のひっ迫を打開し局面を変えることと、“安心して休める補償”を求め、第2次補正予算案をただちに編成することを求めています。同時に、当面のくらしや営業の困難を打開するために活用できる制度もあります。Q&Aで紹介します。
給付の手続きは?
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Q 1人10万円の給付がありますが、手続きはどうすればいいのですか?
A 1人10万円の現金給付(特別定額給付金)は、世論の力で実現したものです。日本共産党など野党も要求してきました。
給付金を受け取るには市区町村への申請が必要です。すでに先払いで給付を始めた自治体もありますが、多くの市区町村ではこれから世帯主に申請書が郵送されてきます。申請書には給付対象者の氏名、合計金額が印刷されています。振込先の口座(世帯主名義)を記入し、口座を確認できる書類と本人確認の書類の写しとともに市区町村に郵送します。(マイナンバーカードを使ったオンライン申請もあります)
対象は2020年4月27日現在、国内に住む日本人と、国内に3カ月以上住み住所を登録している外国人です。
給付金は世帯主名義の銀行口座にまとめて振り込まれます。受け付け開始日は市区町村が決定します。申請期間は受け付け開始日から3カ月以内です。
なお、給付金に対する所得税、個人住民税は非課税です。また、差し押さえは法律で禁止されています。
●DV避難者も受け取れます
DVや虐待を理由に自宅から避難している人は、いまいる市区町村で給付金を受け取れます。
まだ公的支援を受けていないが一時的にホテルや知人宅に避難している人、虐待や性暴力など家に帰れない事情があり民間団体の宿泊支援を受けている未成年者も対象です。
世帯主に給付金が振り込まれてしまった後でも、給付を受けられます。
詳しくは行政のDV・虐待相談窓口や、行政と連携している民間の支援団体に相談してください。日本共産党の地方議員も相談に応じます。
●生活保護利用の方―保護費は減額されません
厚生労働省は4月21日、生活保護利用者の給付金を収入認定しないと通知しました。つまり、給付金を理由に保護費が減らされることはありません。
現金給付に関する問い合わせは総務省コールセンター☎03(5638)5855(土日祝日除く午前9時~午後6時半)または、市区町村へ
子育て世帯
Q 「1人10万円」とは別に子育て世帯に給付があると聞きましたが?
A 子育て世帯向け臨時特別給付金です。児童手当の受給世帯に、児童1人につき1万円が臨時に支給されます。
申請は不要で、対象者には、居住する市区町村が「お知らせ」をおこないます。対象は今年3月31日までに生まれた児童で、今年3月まで中学生だった児童(新高校1年生)も含みます。所得税、個人住民税は非課税となります。生活保護世帯にも給付され、収入認定されません。差し押さえは法律で禁止されています。
問い合わせは居住する市区町村へ
業者などへの給付金
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Q 中小業者や個人事業主を対象にした給付金はどうなっていますか?
A 中小業者やフリーランスなど個人事業主には「持続化給付金」が出ます。ひと月の売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者を対象に、法人は200万円、個人事業者は100万円を上限に、昨年1年間の売り上げからの減少分を給付する制度です。医療法人、農業法人、NPO法人など会社以外の法人、フリーランスも対象です。使途に制約はありません。申請の流れは左図のとおりです。
日本共産党は(1)売り上げ要件の廃止(2)家賃・リース代等の固定費を払える額への増額(3)1回限りではなく3カ月単位で支給を続ける―を提案。4月29日の志位委員長の質問(衆院予算委員会)で、首相は「(事態が)長引けば、さらなる対応等も考えなければならない」と答弁しました。
相談は持続化給付金事業コールセンター☎0120(115)570へ(5、6月は全日午前8時半~午後7時まで、7月は日~金午前8時半~午後7時半・祝日除く)
融資制度は
Q 事業者向けの融資制度はどうなっていますか?
●公的金融機関の無利子・無担保融資
A 特別貸付・特別利子補給制度による公的金融機関の無利子・無担保融資が受けられます。
新型コロナウイルスの影響を受けて(1)最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少(2)業歴3カ月以上1年1カ月未満の場合でも、過去3カ月の平均売上高が5%以上減少―などの条件を満たせば対象になります。
●民間金融機関の信用保証付き融資
中小業者が民間金融機関から融資を受ける際には、一般保証(限度額2・8億円)を受けられます。それに加えて、売上高の減少率に応じてセーフティーネット4号、5号の特別制度(同2・8億円)の利用も可能です。別枠で危機関連保証(同2・8億円)も利用できます。これらの融資は、都道府県の制度融資を活用すれば、実質無利子・無担保となるケースもあります。
すでに受けている信用保証付きの融資も、制度融資を活用した実質無利子融資への借り換えが可能です。
問い合わせは、中小企業金融・給付金相談窓口☎0570(78)3183へ
税金などは
Q 税金や公共料金の支払いも大変。何か制度はありますか?
A 2月からの一定期間(1カ月以上)で、収入が前年同月比で20%以上減少した場合、納税が原則1年間猶予されます。担保は不要で、延滞税は全額免除。固定資産税などの軽減も。電気・ガス・水道など公共料金については、3月25日から支払い猶予の受け付けが始まっています。
問い合わせは、税務署、市区町村、各事業者へ
指示され休業 補償は?
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Q 会社の指示で仕事を休んだ場合の補償は?
A 会社の指示で休業する場合、休業手当(平均賃金の6割以上)が受け取れます。
経営不振による「整理解雇」も、4要件((1)必要性(2)解雇回避の努力(3)人選の合理性(4)説明・協議)に照らして妥当性が問われます。
有期雇用の中途解雇は、やむを得ない理由がない限り認められず、通常の解雇よりも厳しく判断されます。
なお、会社には休業手当に対する助成金制度(雇用調整助成金)がありますが、抜本的な拡充が必要です。日本共産党は「コロナ特例」をつくって(1)事前審査でなく事後審査に(2)休業手当の支払い前に給付が受けられるようにする(3)現在の上限1日8330円(月約16万円)ではなく賃金の8割、上限月30万円を補償する―に抜本的に改めることを求めています。
問い合わせは特別労働相談窓口(都道府県労働局)へ
休校に伴う休業には?
Q 休校に伴う休業補償はどうなっていますか?
A 休校に対応して(1)従業員(アルバイト等を含む)(2)業務委託契約で仕事をする個人―に対する厚労省の補償制度があります。
小学校だけでなくフリースクールの休校、保育園や学童などの登園自粛要請、休校でなくても子どもの風邪症状や濃厚接触などのために仕事を休んだ保護者も対象になります。親だけでなく祖父母なども対象です。
子どもの基礎疾患のために仕事を休んだ場合も含まれます。対象期間は2月27日~6月30日。
●従業員の場合
助成金が事業主に支給されます。その助成金を使って事業主が年休とは別に全額支給の有給休暇制度を新設。従業員はそれを利用する形です。制度がなければ要求しましょう。助成額の上限は1日8330円。
●個人の場合
本人が申請書や添付書類(住民票、業務委託契約の証明など)を「受付センター」に郵送します。支援額はわずか1日4100円。業務委託ではない自営業者は対象外です。
いずれも抜本的改善が求められます。
問い合わせは厚労省コールセンター☎0120(60)3999へ
生活・学費に困ったら
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Q 生活や学費で困ったときに、利用できる制度は?
A 次のような制度があります。
●生活福祉資金
緊急小口資金と総合支援資金があります。従来の「低所得世帯等に限定」を緩和し、収入の減少があれば、休業や失業状態でなくても適用の対象に。自営業者や個人事業主、アルバイトでも可能です。両方で最大80万円まで借りられます。返済時に住民税非課税世帯以下の場合は返還免除となります。
問い合わせは市区町村の社会福祉協議会へ
●住居確保給付金
家賃が3カ月支給されます(上限あり)。「特別な事情」がある場合、最長9カ月まで支給延長。離職・廃業をしていなくても、収入減少によって住居を失う恐れのある人も対象です。
自宅外で親から支援を受けず、アルバイトなどで生活をしている学生も対象になります。
問い合わせは市区町村の自立相談支援機関へ
●生活保護
厚労省は事務連絡で、「生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取」し、「速やかな保護決定」を求めました。
自動車保有などの弾力運用も求めています。
問い合わせは市区町村、福祉事務所へ
●学費などの支援
大学、短大、高専、専門学校生について、文科省は、新型コロナの影響で家計が急変した学生への支援についての事務連絡を出しています。それによると、4人世帯で年収が380万円以下の世帯の学生に、授業料・入学金の減免と給付型奨学金を支給するとしています。
各大学などでは、学生のネット署名などの取り組みもあり、直接支給を実施しているところもあります。
問い合わせは、各学校の学生課、奨学金窓口へ
医療に困ったら
Q 医療で困ったとき、どんな制度がありますか?
A 次のような制度が利用できます。
●国民健康保険料(税)の免除
政府は「緊急経済対策」で市区町村に国民健康保険料(税)の「免除等」を行うよう求め、その場合の保険料収入の減少分は、国が全額手当てすることを決めました。
「免除等」の対象は、主たる生計維持者の収入が前年比で3割以上減った世帯です。(前年の合計所得が1千万円超の場合などは除外)
●資格証明書
国民健康保険料(税)の資格証明書(窓口で全額負担が必要)についても、新型コロナに関わる検査・治療については保険証と同じ扱いにするよう厚生労働省が通知を出しました。
●国民健康保険でも傷病手当金
新型コロナ患者となった国保加入者に傷病手当金を支給することができます。財源は国が負担。また、自治体の裁量で対象を自営業やフリーランスに広げることも可能だと政府は表明しています。
問い合わせは、すべて市区町村へ