2020年4月25日(土)
きょうの潮流
「ほんとは自粛したい。でも、いま店を閉めたら、やっていけなくなる。『ごめんな』という気持ちで店をあけている」。大阪・心斎橋のライブハウス店主の言葉が印象的でした▼新型コロナウイルス感染防止で多くの店が苦渋の決断を迫られています。そのライブハウスも休業要請を受けいまは店を閉めています。「融資、雇用調整助成金やTシャツなどのグッズ販売など、やれることはなんでもやる。休業補償があったら助かるのになあ」▼他のお店も同じ思いです。「お客さんや従業員の感染防止のために自粛せなあかんやろな。そやけど収入ゼロでも家賃や水光熱費はかかる。従業員の解雇はしたくない」。大阪・新世界の串カツ店オーナーは苦悩します▼「お客さんや楽団員の感染防止のため、休演はやむを得ないが、まったく収入がなくなるエキストラのみなさんが一番大変です」と在阪の交響楽団事務局長。みんなが「安心して休める補償」を求めています▼「国は自粛を求めながら、なぜ補償をしないのか」の声は日増しに高まっています。財政難を理由に府独自の休業補償はできないと突っぱねていた大阪府の吉村洋文知事も世論と運動に押され一転して府独自の休業支援に踏み出しました▼規模拡大と数次にわたる支援が欠かせません。国も「地方創生交付金」をせめて2倍にすべきです。こんな時にカジノ誘致や大阪市つぶしに熱中している場合ではありません。きっぱり断念して金も人も新型コロナ対策に総動員する時です。