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2020年4月24日(金)

医療崩壊を止める緊急の財政出動を

与野党が協力して

志位委員長が提起

 日本共産党の志位和夫委員長は23日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルスの市中感染、院内感染が広がり、医療崩壊が始まりつつある極めて深刻な状況だとして、PCR検査センターの設置や病院への財政的補償など、医療崩壊を止めるために、「与野党協力して、政府に緊急の財政出動を求めていきたい」と表明しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=23日、国会内

 志位氏は、自身が16日の記者会見で発表した「感染爆発・医療崩壊を止める緊急提案」で求めた「PCR検査センター」の設置に言及。

 「政府が“検査をやりすぎると医療崩壊が起こる”としてクラスター(集団感染)を追跡する検査に限定し対象を絞ってきた結果、市中感染がどんどん広がり、院内感染が広がり、医療崩壊が始まっている。この状況を直視して、大量検査にかじを切り替える必要がある」と主張しました。

 安倍晋三首相が17日の記者会見で「各地の医師会の協力を得て検査センターを設置する」と表明しながら、「政府の補正予算案のどこを見ても、PCR検査センターを整備するための予算は、1円もついていない」と指摘しました。

 志位氏は、検査センター1カ所の委託費として月5000万円の支出を決めた東京都新宿区の例をもとに、都医師会が当面の目標とする20カ所の設置だけでも1カ月で10億円、3カ月で30億円必要だとして、全国規模では3カ月で数百億円になると指摘。

 「わが党は早くから保健所を通さないで検査できる仕組みをつくる必要があると言ってきたが、首相がようやく言明したのは17日で、その前につくった補正予算案に反映しているはずはもともとない。しかし、そう言明をした以上、PCR検査センターを整備し運営する予算は緊急につけるべきだ」と主張しました。

 第二に志位氏は、新型コロナ患者を受け入れている病院では、ベッドを空けて待っているための減収、特別の医師・看護師の体制、一般病棟・病床の削減、手術や健診などの延期などによって生じる減収や負担に加え、コロナによる受診抑制によって経営が二重にひっ迫しているとして、「思い切った財政支援がどうしても必要になる」と指摘。

 東京都杉並区では区内の四つの基幹病院で、減収分の補てんを行う方針だが、1病院あたり毎月1億~3億円、平均月2億円必要になっており、これをもとに試算すると、全国に1200カ所ある新型コロナ患者受け入れ病院への補てん必要額は、月2400億円、半年では1・4兆円にのぼることになると強調しました。

 その上で、政府の補正予算案では、「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」は1490億円しか計上されていないと指摘。「まるまる1桁足らない。医療崩壊を起こさないための緊急の予算として、数兆円規模の財政支出はどうしても必要です。与野党を超えて、医療崩壊を止めるための緊急の財政出動を行えと政府に強く求めていきたい」と表明しました。

 記者団から補正予算案への対応を問われた志位氏は、「医療崩壊を起こさないための財政的支援の抜本的強化と自粛要請・休業要請と一体の補償の二つが大きなテーマになってきます。その立場から、(補正予算案の)組み替えを提起していきたい」と述べました。


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