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2020年4月22日(水)

商売継続の大きな支え

融資制度で中小・零細業者守る

東京・玉川民商 積極的活用促す

 新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減している中小・零細業者にとって、世論と運動に押されてつくられた各種融資制度は、生活と営業を守る大きな支えになっています。東京都世田谷区の玉川民主商工会は、積極的に活用する取り組みを広げ「これで商売を続けられる」と多くの業者から喜ばれています。(青柳克郎)


 「コロナの影響で夜の来客が激減し、テナント料や5人の従業員の給料が払えなくなるところでした。融資を受けられてありがたい」

 3月に、日本政策金融公庫から新型コロナ特別貸付で200万円の融資を受けた、小料理店を営む女性が話します。

 店は毎月100万円近い経費がかかります。従業員の多くは昼の別の仕事があり、自宅待機などで収入が減っていることから、なんとか雇用を維持したいと考えています。現在、夜の売り上げはほぼゼロですが、ランチ営業を始めるなど、少しでも売り上げを伸ばそうと努力しています。

 「常連客もおり、コロナが収束すれば、また多くのお客さんが見込めます。いまは融資を活用して、店舗や従業員を守りたい」

 同公庫の特別貸付は無利子・無担保。限度額は最大3億円、返済期間は最大20年です。

「展望が見えた」

 通訳業の男性(68)も、同貸付で100万円の融資が決まりました。「ほっとした。これで月12万円の事務所の家賃を払えます。仕事を続ける展望が見えてきた」と語ります。

 主な顧客は官公庁や外国人観光客。コロナの影響で、4月の売り上げはほぼゼロです。かつて公的金融機関から資金を借りて返せなかった過去があることから、申請にはためらいがありましたが、民商事務局員に背中を押されて申し込みました。

 「いま、コロナで廃業を考える自営業の外国人が少なくありません。今後は、その人たちの力にもなりたい」

 玉川民商は、特別貸付利用に向けた相談をよびかけるチラシを4000枚つくり、3月中旬から全業者規模で配布しています。現在、100人ほどから相談が寄せられ、約60人が申請。6人に融資が決定しています。

 関英俊会長(60)=建築業=が話します。

 「業者の皆さんのなかには『借りても返せるかわからない』と、申請に二の足を踏む方もいます。しかし、私たちは『借りられるものは借りて商売を続けよう』と呼びかけています。コロナ収束後に日本経済を土台で支えるのは、やはり中小業者なのですから」

補償求め共同を

 もちろん、特別貸付だけで営業を守れるわけではありません。冒頭の女性は、融資後に客足がさらに落ち込み、損失補償など抜本的な営業支援を求めています。

 玉川民商は今月、政策金融公庫と国、区に対し、特別貸付や各種給付金の手続きの迅速化などを求める要望書を送りました。

 関会長が力を込めます。「この要望については、地域の33の商店会にも文書を届け、中小業者の営業を守ろうと共同を呼びかけています。生活と営業を守るための継続的な補償などを求め、取り組みをさらに強めたい」


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