2020年4月19日(日)
EU共同債で支援を
仏大統領 伊とスペインに
フランスのマクロン大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けたイタリアやスペインを支援するには、欧州連合(EU)加盟国が共同で復興資金を調達する「共同債」以外に「選択肢はない」と訴えました。17日付の英紙フィナンシャルタイムズのインタビューで語りました。
マクロン氏は、2010年の金融危機後、イタリアやスペインが教育や医療分野の削減を強いられたことに言及し「(緊縮を)要求したのはだれかを考えなければならない」と強調。マスクの相互支援や患者の国境を越えた移送に加え、共同債の発行が求められると訴えました。
共同債は、危機にある国を救う一方、オランダやドイツという信用力のある国は単独で国債を発行するより調達コストがかさむため反対しています。マクロン氏は、「EUは人類を中心に据え、そこに連帯の概念が導入される。経済は後からついてくる」として、連帯がなければ欧州統合運動は失敗するとの見方を示しました。
その上で、EUが感染拡大で深刻な打撃を受けた加盟国に連帯を示せないのであれば「イタリアやスペイン、フランスで(反EUの)ポピュリスト(大衆迎合主義者)が勝利するだろう」と語りました。
また、第1次大戦後にドイツに債務の支払いを強いた歴史に言及し“罪人が支払うべき”との誤った考えがポピュリストを生み、第2次大戦につながったと指摘。「同じあやまちを繰り返してはならない」と強調しました。(桑野白馬)