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2020年4月19日(日)

エジプト コロナ感染拡大影響

仕事失う日雇い労働者

支援団体が食料配る

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(写真)15日、カイロで、支援団体から物資を受け取った男性(左)(秋山豊撮影)

 【カイロ=秋山豊】エジプトでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、仕事を失った日雇い労働者が苦境に陥っています。

 15日、首都カイロ郊外にある支援団体の事務所で、住民が互いに1メートルの距離を保ちながら食料の配給を待っていました。100箱ほど用意された段ボール箱には米やパスタなどが入っています。

 貧困層を支援する「エジプトフードバンク」はこの間、緊急の寄付を募り、日雇い労働者の家族40万世帯に食料を届けてきました。

 支援を受けたハリドさん(52)は、日払いで働く家具工場の売り上げが減り、ウイルスの流行が収まるまで工場に来ないよう言われています。生活が窮迫し、家庭内のいさかいが絶えなくなりました。

 エジプトの感染者は17日時点で2800人を超えています。政府は飲食店の営業を停止し、夜間の外出を禁止しています。

 フードバンク代表のサルハンさん(37)は、「路上でのコーヒー販売を禁じられ、子どもに食事を与えられないと事務所に駆け込んできた女性もいる」と言います。

 中央公共流通・統計局によれば、同国には日雇い労働者が約520万人います。政府は、ウイルスの流行で仕事をなくした非正規労働者ら約140万人に、ひとりあたり3カ月間に1500エジプトポンド(約1万円)を給付します。

 内装の自営業、サイエッドさん(47)は、感染を恐れた客が注文を減らし、週2日ほどしか仕事に就けないと嘆きます。収入はその2日で300エジプトポンド(約2000円)です。サイエッドさんには妻と3人の娘と病気の母親がいます。「家族が飢えてしまう。政府の給付金を受け取ったが足りない。額を増やしてほしい」と語りました。


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