2020年4月18日(土)
検査少なく氷山の一角 医療機関直接発注こそ
WHO事務局長上級顧問 渋谷医師が警鐘
TBS系番組
新型コロナウイルス感染症対策をめぐって、16日夜放送のTBS系番組「NEWS23」では、世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問の渋谷健司医師が日本の検査体制の問題と逼迫(ひっぱく)する医療現場への財政的支援について語りました。渋谷氏はイギリスから中継で出演しました。
日本の感染症対策について問われた渋谷氏は、現状では「人と人の接触8割減は困難だ」として、「家にいるというインセンティブ(動機づけ)が足りない。休業補償も含めた、お店に対して休んでもいいよというような施策を出すべきだ」と述べました。
渋谷氏は感染を調べるPCR検査の遅れを指摘し、「日本はクラスター対策をメインにしていたので検査数を絞っていた。非常に検査数が少ないので表れている数字は氷山の一角に過ぎない」「おそらく(感染者が)10倍以上はいる」と強調。検査数が伸びない背景には保健所を経由し、承認を得ないと検査ができない体制にあるとして、「保健所はパンクしている。負担を和らげるためにも医療機関から直接検査を発注できることが大事だ」と主張しました。
また、「肺炎で亡くなった方でも診断がついていないケース」などをあげ、公表されている死者数に反映されていない死者がいる可能性を指摘しました。
さらに、医療体制について、「日本は一番肝心な集中治療のベッド数が医療崩壊したイタリア、スペインの半分ぐらい。集中治療医も非常に少ない」「そもそも日本はコロナに対応する強靱(きょうじん)さがない。そこを今こそサポートしないといけない」と語りました。