2020年4月17日(金)
コロナ報道抑圧やめよ
「国境なき記者団」が表明
38カ国で記者拘束
国際NGO「国境なき記者団」はこのほど、新型コロナウイルスについての報道をめぐり、少なくとも38カ国で政府当局が記者の拘束や検閲を行っているとし、報道の自由と各国国民の健康を守るために国連がこれらの政府を非難するよう求めました。14日付の発表文書で明らかにしました。
「国境なき記者団」は13日、表現の自由、健康の権利に関する国連特別報告者それぞれに宛てて書簡を送付。新型コロナについて報道を試みたり、報じたりしている記者に対して政府当局から「検閲、恣意(しい)的な拘束、嫌がらせ、暴力」が行われていると指摘しました。
例としてブラジルや米国の大統領の言葉による攻撃、アルジェリア、ヨルダン、ジンバブエでの記者拘束などを挙げました。
特に新型コロナ感染が最初に発生した中国について「報道の弾圧が武漢での感染拡大、その後の世界への感染拡大を引き起こした」と批判しました。
書簡は、国連特別報告者に対し、報道の自由を侵害している国に「緊急のアピール」を出して強く臨むよう要請しました。情報に接する権利と健康への権利は密接不可分だということを表明することも求めました。
「国境なき記者団」のドロワール代表は「情報に接する権利の侵害は健康や人間の生命さえも危険にさらす。この権利を侵害している政府を国連機関が公然と非難することを求める」と述べました。
「国境なき記者団」は3月下旬の発表文書で、新型コロナをめぐる中国当局による報道統制や検閲を検証。昨年末に肺炎患者の存在をSNSで警告したことで当局に処罰され、2月に亡くなった李文亮医師の例を挙げ、「報道機関やソーシャルメディアが彼らの情報を自由に伝えることができていれば、国民は危険を認識し、感染拡大を抑える措置を取るよう当局に圧力をかけることができていただろう」と指摘しました。