2020年4月15日(水)
休業要請「元町映画館」危機
「文化が街からなくなる」
神戸
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新型コロナウイルス感染症問題で、街の映画館が存続の危機に立たされています。
緊急事態宣言のもとで、映画館も休業を要請されました(兵庫県は15日から休業実施)。神戸市の元町商店街にあるミニシアター「元町映画館」も15日から休館。支配人の林未来さん(45)は苦悩を語ります。
「安全のためには休館が必要なのはわかりますが、現金がないとやっていけない。絶対に補償が必要です。最低限、人件費が出れば何とか…。このままでは夏まで持ちません」
「元町映画館」は66席で、2010年8月にオープン。林さんとスタッフ5人が交代で運営しています。通常目にすることのない、ドキュメンタリーや、さまざまな国の映画を上映するラインアップと、監督のトークショーなどのイベントで注目を集めています。商店街から独自の映画芸術を発信し、神戸文化の発展に寄与している存在です。
2月下旬から客が減り始め、4月は連日数人。9日からは、特に外出自粛が求められる夜の上映を中止していました。
「このままひっそりとつぶれるかもしれません」と林さん。「文化が街からなくなることは本当に危機だと思います。国は、映画だけでなく文化を顧みてきませんでした。ここまでの危機になると救済できるのは国しかありません。何とかしてほしい」
(兵庫県・秋定則之)