2020年4月4日(土)
「受験から入学までの費用」 過去最高に
修学困難増も 東京私大教連調査
“学費軽減 大幅に”
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首都圏の私立大学生の「受験から入学までの費用」が過去最高になることが3日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かりました。自宅外通学者が平均220万円、自宅通学者が平均158万円となり、学費や受験費用などが家計を圧迫している実態が明らかになりました。
2019年度「私立大学新入生の家計負担調査」は、14の大学・短期大学の新入生の保護者に行ったもの。35回目の今回は約4400人が回答しました。
調査によると「入学の年にかかる費用」は平均299万円(自宅外通学者)と、世帯年収の3割を占めました。
毎月の仕送り額は平均8万5300円。家賃を引いた1日あたりの生活費はわずか730円でした。
東京私大教連の尾高進・私大助成部長は、今年度から始まった高等教育修学支援制度(給付奨学金、授業料等減免)は、対象者が住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯(年収380万円以下)に限定されており「金額も対象者もきわめて不十分」と指摘。新型コロナウイルスでの就労悪化・収入減少で「修学が困難となる学生が増えることは間違いない」として、学費負担の大幅な軽減を求めていくと話しました。
中央執行委員の中川功・拓殖大学教員は「3月に卒業保留者がずらっと出た。親の収入が減少し学費納入が滞ったため」と話し、学生と親たちに広がる窮状を訴えました。