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2020年4月1日(水)

「地球の将来が危険に」

NGOなどが批判・抗議

 政府が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づく温室効果ガスの削減目標で、2030年までに13年比で26%削減するという現行の目標を引き上げないと決めたことに、環境NGOなどから批判と抗議の声明が相次いでいます。


 気候ネットワークの浅岡美恵代表は、「26%削減目標」が「パリ協定の1・5~2度目標に整合しない、全く不十分なもの」と指摘。「世界中で若者たちや市民が緊急の気候対策を求めて声を上げている中、不十分な目標を固定化させ、地球の将来を危険にさらし続けることは許されない」と述べています。

 地球環境市民会議(CASA)は、「気候変動の深刻な影響にさらされる、世界の子どもたちと将来世代に対する背信行為」と批判。「ただちにエネルギー基本計画と地球温暖化対策計画の見直しに着手し、11月のCOP26までに、大幅に引き上げられた削減目標を提出すべき」と強調。

 WWF(世界自然保護基金)ジャパンは、提出国が数少ない現状の中で「『目標を強化しなくてもよい』というメッセージを世界に先駆けて出すということは、…他国が目標を強化する意欲をそぐことになりかねない」などと「強い抗議の意」を表明しています。

 国際環境NGO「350・org Japan」は、内外から引き上げを求める要望に「全く耳を傾けず、透明性の高い議論のプロセスを欠いたまま、何の引き上げも行わずに目標を再提出したことは極めて遺憾」と述べています。

 気候変動NGOのネットワーク「CAN―Japan」も再提出のプロセスについて「公開の検討や議論が一切実施されることなく、完全に政府内の密室の協議のみで決定された」とし、パリ協定に規定された情報公開・公的参加の重要性などをないがしろにしたものだと批判しました。

 気候変動イニシアチブの末吉竹二郎代表は「地球規模の危機は、各国が一丸となり協調して取り組まなければ解決できない」と強調し、エネルギー基本計画の見直しができないから引き上げられないという政府の理屈は「世界に到底通用しない」と述べています。


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