2003年11月1日(土)「しんぶん赤旗」
日本経団連の奥田碩会長は十月三十日、山形市内のホテルでおこなった東北経営者大会の講演で、「先日も小泉首相がいわれておりましたように、わが国の将来を考えれば、いつまでも『農業鎖国』を続けているわけにはまいりません」などとのべ、農業関係者などから怒りを買っている首相の「農業鎖国」暴言を擁護しました。
また、「現在のような、政府の補助や通商上の保護政策に過度に依存した体質では、就業者の増加や経済の活性化は到底期待できない」、「『家族的営農』を根本的に改革する必要がある」などのべました。
これは、日本経団連のホームページに掲載された講演録で明らかになったものです。
日本経団連の奥田碩会長が十月三十日に山形市内でおこなった講演の農業問題に関する発言は、次のとおりです。
農業の競争力強化も、喫緊の課題であります。現在のような、政府の補助や通商上の保護政策に過度に依存した体質では、就業者の増加や経済の活性化は、到底期待できないからであります。
これにつきましては、どこまで踏み込んでいけるかは未知数でありますが、私個人といたしましては、「家族的営農」という、何千年も前からのビジネスモデルを根本的に改革する必要があると思います。土地利用のあり方の抜本的な見直し、株式会社の参入をふくむ経営主体の多様化などを通じまして、農業を現代的な産業として再編成していくことが必要であると考えております。
昨今の多国間・二国間の通商自由化交渉においても、農業問題は依然として大きな課題となっているわけでありますが、先日も小泉総理が言われておりましたように、わが国の将来を考えれば、いつまでも「農業鎖国」を続けているわけにはまいりません。いっぽうで、食糧の安全保障という、国家として重要な観点からも、日本の農業を産業として強くしていくことは、喫緊の課題であります。あらゆる面から考えて、私は農業改革は待ったなしであると思います。
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