2020年3月30日(月)
地方税法等改定案に対する伊藤議員の反対討論
参院本会議
日本共産党の伊藤岳議員が27日の参院本会議で行った地方税法等改定案の反対討論(要旨)は次の通りです。
政府が今国会に提出した法案は、新型コロナウイルス危機を前提としたものではありません。深刻な状況から住民の健康と暮らしを守る法改正に抜本的に改めるべきです。
安倍政権は、国の政策に地方自治体を誘導するために、地方交付税や地方税の性格をゆがめてきました。
「まち・ひと・しごと創生事業費」の算定では、「行革努力分」の指標を立て、人件費や一般会計からの繰り出し金などを削減すれば、地方交付税の算定が有利となる仕組みを入れています。繰り出し金の削減は、高すぎる国民健康保険料・税の一層の引き上げにつながります。
「地域社会再生事業費」の財源として、法人事業税を「特別法人事業税」として国が取り上げるとしています。
「企業版ふるさと納税」の拡充・延長は、企業と地方自治体の癒着を防ぐ仕組みもないままに、控除額をさらに拡大するものです。
森林整備の財源は、逆進性の高い森林環境税でなく、国の一般会計での森林予算の増額や地方交付税によって保障すべきです。
地方の財源不足を国と地方で折半するルールの継続は、財源不足に対する国の責任を投げ捨てるものです。
「一律休校」要請が混乱をもたらすなか、学校関係者らの懸命な努力が尽くされてきました。政府に求められているのは、地域の実情を把握する各自治体の力が発揮できるよう支援することです。
地域の公衆衛生・感染症対策の体制強化への転換が必要です。
保健所は数も職員数も医師数も減少しています。保健所の財政措置は、補助金から交付税化され、権限移譲のなかで再編されてきました。
新型コロナウイルスへの対処では、各地の保健所に大きな負担がかかっています。保健所の体制強化は喫緊の課題です。感染症指定医療機関をはじめ、地域の公的・公立病院の体制強化も重要です。
昨年9月に厚労省が発表した、公立・公的医療機関の再編・統合の病院リストは白紙撤回すべきです。
資金繰りに直面する中小・零細企業の悲痛な声が渦巻いています。
国民の生活を絶対に守らなければなりません。専門家の知見や科学的根拠にもとづく正確な情報の提供によって、感染拡大を防ぐ行動を周知・徹底すること、国民の生活を守りぬき、検査・医療対応の体制を早期に確立するために思い切った予算を措置すべきです。