2020年3月27日(金)
自粛要請で苦境の事業者・個人に直接支援を
志位委員長が緊急提案
日本共産党の志位和夫委員長は26日、国会内で記者会見を行い、「自粛要請で苦境に陥っている事業者・個人に、『感染防止対策』として抜本的直接支援を」と題する緊急提案を発表しました。田村智子政策委員長が同日、国会内で西村康稔経済再生担当相に同提案を渡して政府に求め、西村氏は「うけたまわりました」と答えました。(提案全文)
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志位氏は、12日に発表した緊急経済提言で、「政府の要請にともなって仕事や収入を奪われた人や事業者には国の責任で補償することを大原則に据えて実行すべき」と求めたと強調。「この立場は、昨日、小池百合子東京都知事が週末の外出自粛要請を行うなど、新型コロナウイルスの感染が深刻化・重大化するもとで、政府・自治体のさまざまな自粛要請を実効あるものとし、感染拡大を防止するうえでもきわめて重要になっている。自粛要請とセットで直接支援を行うことがきわめて大事になっている」と強調しました。
志位氏は、政府による全国一律休校、イベント自粛、「三つの条件」(密閉、密集、密接)を避けるなどの要請のもとで、中小事業者やフリーランスなどが事業継続の展望が持てず、深刻な苦境に追い込まれていると指摘。こうした事業者・個人への直接支援を否定する政府の姿勢は大きな問題だと述べ、「政府の姿勢を根本から変え、自粛要請で苦境に陥っている事業者や個人に対して、たんに『経済・景気対策』という見地だけからではなく、国民の命を守る『感染防止対策』として、思い切った予算をつけ、緊急に直接支援を行うことを強く求める」とのべました。
そのうえで志位氏は、直接支援の内容について(1)働く人の生活と雇用を守る(2)事業者に対して、無利子融資の拡充、税・社会保険料の減免、固定費への直接助成を行う(3)イベントなどの中止にともなう必要経費を補てんする―との三つの方向で政府に強く求めるとしました。
志位氏は、自粛要請のもとでの事業継続のための直接支援は「どこの国でもやっていることだ」と強調。英国では、国民への自宅待機の要請の補償措置として1人月額2500ポンド(約32万円)を上限に賃金の8割を支給して雇用維持のために労働者の賃金を肩代わりしていると指摘し、ドイツでは「芸術家及びクリエーター」に対し、従業者10人までなら3カ月間1万5000ユーロ(約180万円)まで支給する措置をとるなど、芸術家やクリエーターを絶対につぶさないという施策を打ち出していると紹介。「自粛を要請するならそれにふさわしい支援が必要です。自粛だけを要請して『あとは自己責任で』というのでは暮らしが成り立たないだけでなく、自粛の実効性が確保できない」と強調し、政府・与党がしっかりと受け止めるよう、野党が共同して緊急の対応として強く求めていきたいと表明しました。