しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年3月26日(木)

新型コロナ感染

医療物資支援策を

スペイン 医師組合など求める

 新型コロナウイルスの感染による死者数が欧州でイタリアに次ぐ事態となっているスペインで、医療従事者の感染拡大が深刻化していることを受け、医師や看護師の労働組合が24日までに相次いで医療物資の支援策を緊急に講じるよう政府に求めました。

 看護師組合SATSEは首都マドリード市内の病院が「崩壊の間際」にあり、緊急の支援が必要だと強調。20日に公開した声明では、感染者が増大する一方、装着できるマスクの数が足りず、患者の治療に当たれない医療従事者がいると指摘し、早急な対応を求めました。

 同市の医師組合AMYTSは24日、地元の保健当局が防護服、マスクやゴーグルなどを医療機関に速やかに提供するよう訴訟を提起したと明らかにしました。

 同国保健省のフェルナンド・シモン緊急警報調整局長は24日の記者会見で、国内の医療従事者の感染者数が全体の14%に当たる5400人に達したと表明。防護服などの不足に加え、病院内で発生した集団感染が医療従事者の感染拡大につながったとの見解を示しました。

 同氏は、一般市民の間で感染拡大がピークを迎えた後も、集中治療室の病床数がひっ迫する状況は続くだろうと述べました。

 現地からの報道によれば、国内の感染者は25日時点で約4万2000人、死者は2937人に達しています。

 一方、スペイン政府は24日、危機にひんしている中小企業や自営業者が返済できない銀行融資の約80%を政府が保証する支援策を承認。200億ユーロ(約2兆4000億円)の保証枠を設けました。この措置は、政府が雇用や企業を守るために先週発表した総額2000億ユーロ(約24兆円)規模の支援策の一環です。

 (桑野白馬)


pageup