2020年3月25日(水)

コロナから難民守る

世界に即時停戦呼びかけ

　【ワシントン＝池田晋】国連のグテレス事務総長は２３日、国連本部からビデオ回線を通じて会見し、世界が新型コロナウイルスという「共通の敵」に立ち向かう中、難民や女性、子どもを守ることに集中するため、「世界のあらゆる場所での即時停戦を呼び掛ける」と述べました。

　グテレス氏は、新型ウイルスが民族や国籍、信仰と関係なく人々を襲っており、「その猛威は戦争の愚かさを浮き彫りにしている」と強調。「戦争で荒廃した国々で、医療制度が崩壊していることを忘れてはならない」とも述べ、紛争国での感染拡大に強い危機感を表明しました。

　中東やアフリカの紛争国がとくに念頭にあります。避難民・難民の密集したテント生活や手洗い用の水の不足による感染拡大が懸念されており、グテレス氏は「難民・避難民は二重の意味でぜい弱だ」と述べました。

　また、貧困国の新型コロナウイルス対策を支援するために２０億ドル（約２２２０億円）が必要だと訴え、国際社会に拠出を呼び掛けました。