2020年3月13日(金)
新型コロナ 対策へ奮闘
住民に寄り添う共産党と各団体の活動
新型コロナウイルス感染が広がるなか、各地で日本共産党議員団や各分野の団体は、住民の声や要望を聞くアンケート、訪問・対話などにとりくみ、住民に寄り添った対策を求めて奮闘しています。その声が自治体に届き、対策を改善させる例も生まれています。
アンケート活動や懇談
東京
チームを作り分野別に対応
日本共産党葛飾地区委員会は、新型コロナウイルスで対策本部を立ち上げ、医療、学校、業者関係者などから声を集めるとともに、アンケート用紙を使って区民からの声を聞いています。
同地区委員会には、同アンケートを見たという過去に大病を患ったという人から、「消毒薬やマスクが手に入らず不安です」と電話があるなど、深刻な相談も寄せられています。
5日に開かれた第1回の対策本部会議には、党区議団や医療、衛生、教育、業者などの関係者が集まり、同ウイルス感染拡大の影響について各現場の状況を出し合いました。
会議では、「医療や衛生の職場では通常業務にも支障がでている」「(学校の)図書室で生徒の距離を離して自主勉強させても、生徒は飽きてしまう。翌日から校庭の使用が可能になった」「学校給食用の食材を納入している小売業者は、廃業の危機だ」などの声が出されました。
同対策本部では現在、学校、医療・衛生、業者の三つに分かれてチーム作りが進められており、各分野で実態や要望をつかもうとしています。集められた声は党区議団・都議団に提供する予定です。
ライブハウス 収入が大幅減
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新型コロナウイルス感染症問題について、日本共産党の吉良よし子参院議員は11日夜、東京都新宿区のライブハウスを訪ね、実態を聞きました。谷川智行衆院東京比例予定候補、尾崎あや子都議、新宿区議団らが参加しました。
150人規模のイベントが開けるライブハウスを営む男性は、「すでに何件かイベントが中止・延期になった。3月の売り上げも3~4割減にはなると思う。数カ月続くようだと厳しい」と語りました。
一行はジャズ喫茶も訪問。経営者の男性(73)は「普段は30~40人程度、多いときは60人以上のお客が入っていたが、3月は、数人の時もあるほどだ。イベントも今月で10本キャンセルが出た。収入も8割減の見通しで、このままでは立ち行かなくなってしまう」と語りました。
吉良氏らは、給付型の支援制度創設など国が責任を持ち、対応すべきだと応じ、「消費税増税に加えたダブルパンチだと思います。経営が守られるように、皆さんの声を国会に届けたい」と話しました。
愛知
自主登校での校庭使用実現
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日本共産党愛知県委員会は、3日に対策本部を立ち上げ、連日、地方議員やコロナ対策専用メールを通じて住民や幅広い団体から要望を聞き、自治体への要請にいかしています。
市議団や住民の申し入れによって半田市では、市役所の「総合相談窓口」設置を実現し、市が備蓄するマスクを「医療現場で活用する」との回答を得ました。日進市では子どもたちの自主登校教室の改善を申し入れ、グラウンドと体育館の使用を実現させています。
日本共産党の国会議員の追及で一律休校にともなう学童保育への補助が増額されたことなどを知らせるビラも作成。学童保育や中小企業を訪問し、対話を広げています。
学童関係者は「報道で見ました。助かります」「共産党がいつも学童に寄りそっていると感じる」などの声や「子どもたちを1メートル以上離すのは無理」「休みが取れず11時間労働になっている」などの実態を寄せています。
事業者は、「消費税を5%に戻してほしい」「貸し付けでなく返済なしの融資が必要」「イベント中止で年間売り上げが3分の1落ちる」などと話しています。
今後はフリーランスや自営業者の実態改善を求めるとともに、障害者団体などからも聞き取りを進め、政策につなげるとしています。
大阪
看護職員配置 長期化で懸念
大阪府保険医協会(高本英司理事長)は10日、新型コロナウイルスに関する休校措置による病院の看護職員配置に与える影響について府内の病院を対象に行った調査の概要を明らかにしました。
アンケートは2日から5日にかけて府内516病院を対象に実施。243病院から回答が寄せられました。
3月の看護職員の配置について、院内保育や学童が運営されているため「なんとか対応」「問題なし」とする病院が多数を占める一方、39・5%の病院が看護職員の勤務数が「少なくなった」とし、通常より1割以上の欠勤者が予想される病院が41病院あるなど影響がみられるとしています。
自由意見欄では、「1カ月以上の長期になると業務の縮小が必要になる」など長期化を懸念する声が目立ち、院内での感染者発生を心配する声、子どもの長時間の留守番やストレスを心配する声も寄せられています。
同協会では、「長期化に伴う保育所や学童などの預かりの今後の運用状況が看護配置に大きく影響するとみられる」としています。
日光「昨年比5割減」
栃木
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日本共産党の梅村さえこ前衆院議員・衆院北関東比例予定候補は10日、栃木県の日光市観光協会を訪ね、新型コロナウイルス感染症の影響を聞きました。福田悦子、福田道夫日光市議、小池一徳栃木県党書記長が同席しました。
日光には年間1200万人の観光客が訪れます。応対した福田栄仁日光観光協会常務理事・事務局長は、中禅寺・日光エリアのホテル・旅館からは「学校の一斉休校から客はさらに減少し、団体客はほぼキャンセル」との声があがっているといいます。奥日光湯元温泉旅館共同組合からは、「予約キャンセルの連絡ばかりで3、4月の予約はいっさい入ってこない。昨年と比較して5割以上減少」との苦境が寄せられていると述べました。
福田常務理事は、ホテルのバイキングでは感染を防ぐため従業員が料理をトングで取り分けたり、イベントでもお弁当販売が中止、土産物屋も客が減っているなどの実態も紹介。「東日本大震災の時に匹敵する影響が出ている。国の財政的支援がなければ乗り切れないのが現状」「運営資金が苦しいのでそこへの支援を考えてほしい」と述べました。
梅村氏は「解決するのは政治の責任。財政出動の規模が小さすぎる」として、「無利子・無担保・個人保証なしの融資、雇用調整助成金の対象拡大などを求めていきたい」と述べました。
短期保険証の交付実現
新潟
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新潟県は5日、新型コロナウイルス対策に関連して、市町村に対し「被保険者資格証明書(以下、資格証明書)世帯への対応について」の通知を出し、資格証明書の患者が医療機関を受診した際に、市町村が短期保険証を交付できることを明らかにしました。
通知は、4日に「県生活と健康を守る会連合会(県生連)」が県に、受診抑制による新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐ立場から、資格証明書から一般保険証への切り替えを求める要望書を提出した翌五日に出されました。
県はすでに、資格証明書の患者が「帰国者・接触者外来」へ受診した場合は一般の保険証と同様の取り扱いとなることを通知していました。さらに「帰国者・接触者外来」以外への受診でも、医療を受ける必要が生じ、医療費の支払いが困難であると申し出た際は短期保険証を発行することを、市町村から資格証明書交付世帯に徹底することを求めています。
県生連の吉田松雄事務局長は「一歩前進だ。国保料の滞納が原因で資格証明書が発行されている世帯は、受診を諦めてしまうことも考えられる。引き続き、県や市町村へ要望していきたい」と話しました。
京都
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日本共産党京都市議団(井坂博文団長、18人)は、新型コロナウイルス感染症に関して市民の要求を取りまとめ、2月と3月に京都市に申し入れました。市民の命とくらしを守る施策の実現に反映させています。
国保の資格証明書の交付を受けている人について、新型コロナウイルスへの感染が疑われて「帰国者・接触者相談センター」から「帰国者・接触者外来」を紹介され受診した場合、窓口での支払いが一部負担金(2割または3割)のみとなる措置を国が通知しました。これを受けて市は資格証明書交付世帯に対し、取り扱いを説明する文書の郵送を始めています。
品不足で多くの市民が不安を感じているマスクについても、市の備蓄5万4000枚が、保育関係、医療、高齢者、障害者の各施設へ、配布開始されています。
いずれも申し入れで党市議団が実現を求めていました。
京都市経済への影響も深刻です。売り上げ減少で固定費の支払いに苦しむ事業者に対し、助成金、給付金などの支援の具体化を求めた党市議団の質問に対し、理事者は「固定費への助成は本来適切ではないが、今回の特別な事態のもとで、必要な措置は検討したい」と答えました。
一律休校 事実上見直し
大分
学童保育への給食全額補助
大分県豊後高田市議会で10日、佐々木敏夫市長は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校休校で開所した放課後児童クラブへの給食提供と午前8時以降3時までの利用料などを全額補助するとの方針を示しました。「いっせい休校で混乱する市民に寄り添うべき」との日本共産党の大石忠昭市議の質問に答えたものです。
佐々木市長は、休校に伴い200人近くが利用する市内の放課後児童クラブについて「今日から無償での簡易給食提供を開始した。給食には名札を付け、アレルギー対策にも努める」と答えました。
大石市議が「本来は国がやるべき課題」と指摘した上で市独自に財政支援を求めたのに対して佐々木市長は「市でできることは責任を持って取り組む」と応じ、「午前8時からの開所にかかる費用(保護者負担や人件費など)は市が負担する」と答えました。
学童保育への給食無償提供や保護者負担免除など自治体独自の財政措置は県内初です。
この問題で大石市議と党市委員会は感染防止対策の強化と市民の暮らし、営業を守る11項目について市側と懇談を進めてきました。
岩手
党議員要求で登校を検討へ
岩手県議会予算特別委員会(5日)で日本共産党の斉藤信議員は、新型コロナウイルス対策で要請された一律休校を見直し、学校で子どもを受け入れるように要求しました。
斉藤氏は、安倍首相による全国一律休校の要請は法的権限も科学的根拠もなく、自主的判断で休校を見送る自治体が他県で広がっていると強調。狭い施設で多くの子どもを預かる学童保育では感染リスクが高いと指摘し、「保健室や給食がある学校こそ安全だ。感染者が出ていない岩手の場合、休校を見直して子どもたちを受け入れるべきではないか」と迫りました。
達増(たっそ)拓也知事は「子どもの感染リスクが高まらないように、登校も含めて対応を調整する」と答弁しました。
これに先立つ同文教委員会(2日)でも、斉藤氏は一律休校について質問。「心配なのは、ひとり親家庭、小学校低学年や特別支援学校の子どもたちだ。特に特別支援学校の子どもは、環境が変わるとパニックになってしまう。受け皿のない児童生徒の受け入れなど個別具体的に判断すべきだ」と述べました。
県教委の特別支援教育課長は、実情を踏まえて「登校なども視野に入れた検討をする」と答えました。
福岡
卒業式の形は現場尊重して
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福岡市は、新型コロナウイルス対策として卒業式を30分以内に縮小する式次第のモデルや在校生、保護者の出席を自粛するよう2月に各学校へ通知していました。
これを受けて日本共産党福岡市議団は28日、卒業式のあり方や一律休校に伴う問題について、高島宗一郎市長、星子明夫教育長宛てに緊急の申し入れをしました。
中山郁美市議団長は、卒業式は生徒が自主性を発揮する大事な場であり、画一的な方法ではなく、「現場の要望や判断を最大限尊重するべきだ」と訴え、星子教育長は「その通りだ」と答弁。その後も各市議が学校を調査し、4日に重ねて申し入れました。星子教育長は、現場と連携しながら、しっかり対応したいと明言しました。
このことから、小学校を卒業する子どもを持つ保護者が学校に「児童中心のプログラムを削らないで」と請願し、児童が準備した歌が盛り込まれました。
小学校教諭の50代男性は、卒業式を17日に控えて担任が家庭訪問で児童と対面するなど奮闘しているとし、「良いものになるようにしたい」と力を込めました。
青森
児童外出禁止 強制をやめて
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日本共産党青森市議団(藤原浩平団長、6人)は10日、新型コロナウイルス対策で休校中の子どもたちの過ごし方が制限・規制されないよう「子どもの自由の保障を求める」要望書を、小野寺晃彦市長、成田一二三教育長あてに提出しました。
党市議団のもとには、疲労や不安の声に加え「学校から子どもたちの外出禁止が出された」「先生が(外出していないか)公園などへの抜き打ちの見回りや、家庭訪問をしている」など怒りの声が多数寄せられていました。
要請内容は、▽小中学校において平日の外出禁止の強制はやめる▽子どもの自由と人権を尊重し、抜き打ちで見回りをする対応をやめる▽「濃厚接触を避けながらも公園などでの外遊びを推奨する」メッセージを発信する▽児童・生徒向けに小・中学校の体育館や校庭を開放する―ことを求めています。
学校から外出禁止の書面が届いた保護者からは、「家に閉じこもっていろというのは囚人のよう。り患者が出ていない中で、もっと柔軟に対応してほしい」「子どもが外にいると学校に報告する人もいて、ストレスがたまっています。早く、思いきり外で遊ばせたいです」と話しています。
鳥取
個人事業者に独自助成決定
鳥取県は11日、売り上げが15%以上減少した中小企業者などに対する制度融資(5~15%減は利息0・7%)の無利子化、小学校休校に伴う国の支援対象外となっている個人事業主に日額4100円の独自助成(最大で15日)をすると決めました。さらに、国民健康保険と後期高齢者医療で傷病手当を支給する市町村などに、国の特別調整交付金(見込み)を用いて財政支援をする予定です。
日本共産党鳥取県委員会は、新型コロナウイルス感染対策で県に対して3回の申し入れをしてきました。今回の措置は不況に苦しむ事業者への対策として、企業や個人事業主への助成、無利子・無担保融資や国保の傷病手当の創設などを求めてきたことが実ったものです。
また党は、休校中の子どもの居場所やストレスの解消、学習保障、休校中止や給食、スクールバスの再開、子ども食堂への支援などを求めてきました。
それに対して県は、▽特別支援学校の児童・生徒が学校で過ごす場合の昼食の提供▽旅館やホテルが日中に子どもの居場所、昼食を提供する子ども食堂をする場合に10万円支給▽AIが出題する学習アプリの活用(県教委がライセンス取得して市町村教委に提供)、遠隔学習の普及―などを予算化しました。
中小企業と労働者支援
仙台
融資枠を拡充 市長「活用を」
仙台市は6日、新型コロナウイルスの影響を受けている中小企業に対し、市による信用保証料の全額負担と融資枠の拡充を発表しました。日本共産党の嵯峨サダ子市議が市議会で3日に求めたものです。
この制度は、新型コロナウイルスによって経営や資金繰りに打撃を受けた中小企業者が制度融資を利用する場合の保証料を市が全額補給するもの。経済変動対策資金(セーフティーネット保証4号、5号)を対象に、期間は2日から6月1日までの認定分。すでに保証料を納付している中小業者にも、さかのぼって適用されます。
融資限度額も4号は3000万円から8000万円に、5号は5000万円から8000万円に引き上げます。
この決定を受けて仙台市の郡和子市長は9、10の両日、七十七銀行など地方銀行、信用金庫を訪れてこの制度の活用を呼びかけ、「中小企業の資金繰りにご協力いただきたい」と円滑な融資への協力を要請しています。
10日の市議会で嵯峨市議は、「3月は通常の売り上げの半分に落ち込むのではないか」「軒並みキャンセルでほぼ休業状態。先が見えない」など、中小企業から聞き取った切実な声を紹介。既存債務の返済凍結や営業損失補填(ほてん)への直接補助、個人事業主への給付金など、さらなる支援を国に要請するよう求めました。
高知
総合相談窓口 党要請が実現
高知県では、県が健康相談の窓口とは別に、総合的な相談窓口を設置しました。これは県議団が2月議会の代表質問で求めていたものです。
また県は経済変動対策融資の対象に、新型コロナウイルス感染症に起因して最近1カ月間の売上高等が前年同期比で3%以上減少している業者を追加しました。
党県委員会は県に新型コロナ対策を緊急に要望。その中で経済的影響に対し中小零細業者への支援の強化を申し入れていました。
党県議団の塚地佐智団長は「県民の生活の苦しみに県政として向き合おうとしたのが総合的な相談窓口の設置であり、評価できます。高知県は小規模零細業者が多く、資金力が弱い中で、売り上げの落ち込みは、大変打撃が大きい。その中で融資制度の上乗せの施策は評価できる。周知し、活用していただきたい。県民の暮らしと営業を守るために総力をあげて頑張ります」と話しています。