2020年3月12日(木)
春闘 軒並み低額回答
昨年下回る 内部留保抱えながら
自動車、電機、鉄鋼などの大企業は11日、労働組合の春闘要求に対していっせいに回答を出しました。基本賃金を引き上げるベースアップ(ベア)についてトヨタ自動車などがゼロ回答とし、多くが前年を下回るなど低額回答となりました。
実質賃金低下の一方で消費税10%増税が実施されるなか、労働者の生活改善と内需を中心とする経済再生にほど遠い水準で、大企業の責任が問われます。安倍首相が強調したベアは6年でとん挫し、アベノミクスの破たんも示しています。
自動車では、トヨタがベアゼロとなり、定期昇給も含めた総額でも8600円。前年実績に届かない要求額(1万100円)を下回りました。
日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所も米中摩擦による需要低迷を理由にベアゼロ。2年分を一括交渉しており、21年度も賃金据え置きとなります。
電機では日立製作所がベア月1500円の一方、三菱電機や東芝は昨年並みの1000円、NECやパナソニックは福利厚生などを加えて1000円としベアを圧縮しました。
大企業は巨額の内部留保を抱えながら、新型コロナウイルス感染拡大などによる景気減速への懸念などを理由に抑え込みに終始。労働組合は一致して「今こそ内部留保を還元して賃上げを行うべきだ」と求めていました。