2020年3月8日(日)
中小零細 苦境
新型コロナ 中国からの部品供給停止 在庫底つく
納期未定続出 「商売にならない」
新型コロナウイルスの感染拡大で、中国の今年1~2月の輸出は前年同期比で17・2%減となっています。中国から部品や材料を調達する日本の中小零細企業にも影響が出ています。(遠藤寿人)
大阪府羽曳野市の建設業の40代社長は、オール電化住宅に不可欠な給湯器の在庫がなくて困っています。
日本のメーカーは電気でお湯を沸かす「エコ給湯」の部品を中国で生産し、組み立てて日本で売っています。
中国での感染の広がりで「輸入が完全にストップ。日本にある在庫もなく、納期は未定のまま。いつ復活するか分からない」と不安を募らせます。
社長は「今、受けつけている契約分は確保しているが、ここ1~2週間以降の新規の物件に対しては納期未定ばかり」といいます。
今週あった新築物件も着工予定が延期に。部材が入らず、電気工事もストップ。引き渡しができず、お金をもらえない、次の着工ができない悪循環―。「商売として成り立たなくなる。早く再開への見通しがほしい」と切実に話します。
神奈川県相模原市で石材業を営む男性(59)。中国湖北省武漢での感染拡大で、春節(旧正月)休暇が2月17日まで延び、墓石用の御影石が入ってこなくなりました。通常なら原材料を運ぶ貨物船は毎週土曜日、厦門(アモイ)港から出ていました。
男性が使用する御影石の100%が中国産です。値段が国産より半分以下だからです。「国産では採算が合わず作れない」といいます。
幸い貨物船は2月22日から再開しましたが、お彼岸(3月17日)までに納品予定だった2件に遅れが出ました。男性は「お客さんもしょうがないと諦めてくれています」といいます。