2020年3月1日(日)
治安部隊に犯罪集団
ベネズエラ 国連初めて指摘
INCB報告
国連の国際麻薬統制委員会(INCB)は27日に発表した「年次報告2019」で、南米ベネズエラの犯罪集団と治安当局との結びつきを指摘しました。同様の報道や証言は以前から多数ありましたが、国連機関がこの問題を指摘したのは初めてです。
報告によると、犯罪集団は港湾や空港の税関の一部を不法に管理し、コロンビアからの大量の麻薬をベネズエラに持ち込み、同国から米国や欧州などに運び込んでいます。
報告は「ベネズエラで犯罪集団が治安部隊に浸透し、違法薬物の出入りを促進するために『ロス・ソレス・カルテル』として知られる非公式のネットワークを形成している複数の証拠がある」と指摘しました。
これまでの報道などでは、マドゥロ大統領を含む政権の中枢が犯罪に関わっているとみられていました。
米外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』(電子版)は3日に掲載した論文「ベネズエラの問題は社会主義ではない」で、ベネズエラ危機の最も深刻な原因は同国が「略奪国家」になったことにあると指摘。具体例を挙げて「マドゥロ政権は、大統領がマフィアのボスの役割を果たす国内および国際的な犯罪集団の連合体だ」と断じました。
INCBは薬物関連国際条約の実施を目的とした機関。オーストリアのウィーンに本部を置いています。