2020年2月26日(水)
米裁判 性暴力に有罪評決
「歴史の進路変えた」
#MeToo運動が勝利
【ワシントン=池田晋】米ニューヨークの裁判所の陪審は24日、女優らを性的に暴行したとして起訴されたハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告(67)に対し、レイプなどの罪で有罪評決を出しました。担当の検事は評決後、「性暴力に対するたたかいの歴史の進路を変えた」と述べ、勇気をもって証言した女性らをたたえました。
大物プロデューサー収監
2017年秋に米紙ニューヨーク・タイムズなどが同被告の性的暴行疑惑を暴露したのをきっかけに、性的被害を受けた女性らが「#MeToo(私も)」を合言葉にして権力者の男性を告発する運動が米国をはじめ世界中で高揚。同紙(電子版)はこの日の有罪評決を運動の「分岐点」との見出しで伝えました。
ただ、起訴されていた五つの罪のうち、最も重い「略奪的性的暴行」など三つでは無罪評決となりました。量刑は最高で禁錮29年となる可能性があり、3月11日に言い渡されます。
同被告は評決後、「私は無実だ」とつぶやく中、手錠をかけられ、即日収監されました。弁護団は控訴する方針を表明しました。
バンス地方検事は、ワインスタイン被告を常習的な略奪的性的暴行犯だとした上で、「勇気と多大な危険とともに進み出た女性らが、有罪評決を可能にした」と指摘。法廷で証言した元女優のドーン・ダニングさんは「権力や金を持っているからといって、女性に付け込むことはできない」と話しました。